SEO対策はWebマーケティングではもはや必須といっても過言でない2024年において、企業がSEOをインハウス化するにはどのように進めればよいのでしょうか。
そもそも「自社がインハウスSEOに向いているか理解したうえで対策方法を考えたい」という企業もいることでしょう。
SEOといえば、外部のSEO専門業者に依頼するのが一般的でした。それはアルゴリズムアップデートへの対策のスピード感やそもそもの専門性の高さからです。
しかし、近年では社内のみでSEOを実施する「インハウスSEO」もしくは一部を外部に切り出すセミインハウスSEOに切り替える企業も増えています。成果が出るまでに時間がかかるSEOだからこそ、内製化することで中長期で外注コストを削減し、自社に知見を蓄えることが可能です。
とはいえSEO対策を自社で行うには検索エンジンに対するアルゴリズムの専門知識やリカバリー経験などの実践、経験が不可欠なため、SEOをインハウス化しメリットを享受するための体制、インハウスSEOの特徴や向いている企業、具体的な実践方法について解説します。
弊社バクリでは、インハウスでお悩みの企業の方向けに内製化支援を行っています。 最小限のコストからインハウスSEOをサポートさせていただくことも可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。 ちなみに、代表の荒川はSEOが趣味です(笑)。
今回の記事のポイント
・インハウスSEOの業務内容にはどんなものがありますか?
インハウスSEOの業務内容には、KPIの設定、どのキーワードで対策をするかを決定、サイト内部のリンク整理や重複コンテンツの削除などの内部対策を行い、関連性の高いコンテンツを制作します。また、外部リンク獲得などの施策で信頼性を向上させ、ドメインランクを上げることも重要な業務の一部です。
・インハウスSEOはどのように実践すればよいですか?
インハウスSEOを実践するには、内製化を支援してくれる会社を選び、その会社のサポートを受けながら社内にノウハウを蓄積することから始まります。その後、自社のSEO担当者が実際に業務を実行し、PDCAを回しつつ、自社のみで自走できる状態を目指します。
・インハウスSEOを成功させるポイントは何ですか?
インハウスSEOを成功させるためには、競合他社をベンチマークして、どのようなキーワードで上位表示されているか、どのような外部リンクを獲得しているかを詳細に分析することが重要です。また、アルゴリズムアップデートに対応できるようにチーム内の柔軟性と適応性を高めることも大切になります。
【インハウスSEOについて相談する】
インハウスSEOとは
インハウスSEOとは、自社でSEO施策を内製化することを言います。
SEO(エスイーオー)は「Search Engine Optimization」の略で、日本語では検索エンジン最適化という意味です。最適化といっても、
まずは、検索エンジンにクロールしてもらう(見つけてもらう)~内部対策で最適化する その上で検索エンジンに評価してもらう~関連性のあるコンテンツ制作で最適化する さらに検索エンジンに信頼してもらう~ドメインランクやオーソリティ施策(外部対策)で最適化する
の3つがあります。
特に、Googleをはじめとする検索エンジンはユーザー目線の検索エンジンですので、検索したクエリ(検索キーワード)に対して、最適な回答を保有するコンテンツを作成することで、ユーザーが特定のキーワードで検索した際にサイト(ページ)を上位に表示することが可能になります。
複数のコンテンツ(ページ)が検索エンジンの様々なキーワードで上位に表示されると、サイトへの流入数を増やすことができ、CVにつなげることができるるため、長期的に見ると費用対効果が高い施策と言えるでしょう。
インハウスSEOのメリット3つ
ここではインハウスSEOのメリットについて見ていきましょう。
- SEOに関するノウハウを社内に蓄積できる
- 外注コストを削減できる
- 迅速な対応が可能なる
SEOに関するノウハウを社内に蓄積できる
外部に委託していたSEOをインハウス化することで、社内にノウハウや知見を蓄積できます。
特に、SEOはアルゴリズムにどう寄り添っていくかがポイントになります。
よって、アルゴリズムの傾向を分析し、対策を打っていくことがSEO対策では重要になります。
2023年度もコアアルゴリズムアップデートはかなりの回数がありました。 企業サイトが優遇されたり、ドメイン貸しの評価がさがったり、特定の分野のキーワードではアフィリエイトサイトが順位が吹っ飛んだりと、都度傾向が変わるものです。
この傾向と対策がSEO対策では重要であり、自社サイトの属するカテゴリ、自社サイトならではのクセを掴み対策することで、今まで以上に検索エンジンにフィットし、上位表示が可能になります。
SEOをアウトソーシングすると、スキルを持ったプロが実行してくれるため、迅速にスタートできるのがメリットです。しかし、プロに任せてしまうと具体的な対策内容(特に今回のアルゴリズムアップデートにどう対応したのか?など)や施策の進め方を自社で理解することはできません。
また、SEOを外部委託する場合、継続して発注する必要も出てきます。
「将来的には社内の人間のみでSEOを実行できるようにしたい」と考えているのであれば、早めにインハウス化を検討するとよいでしょう。
もしくは、今の人員ではいきなり専門的なSEO対策の巻き取りは難しいという場合でも後述するようにセミインハウスSEOも視野に入れてもよいかもしれません。
外注コストを削減できる
今までSEOを外部委託していた場合、インハウス化することで外注コストを削減できるのもメリットです。
外部にSEOを依頼すると、月額コンサルティング料金や内部施策の実装費用などがかかります。依頼する範囲や調査が必要な業務の場合、調査分析費用も高額になりがちです。「成果が見込めても、SEOは効果がでるまでに時間がかかるものなので、中長期で考えると予算的に厳しいかな」と考える企業の方も少なくありません。
この点、インハウスSEOは自社の人件費のみでSEO対策を実行できます。
自社に知見が貯まるほどコストパフォーマンスも向上するので、インハウス化する価値は大きいと言えるでしょう。
迅速な対応が可能なる
インハウスSEOは施策を迅速に実行できるメリットもあります。
外部にSEOを委託した場合、以下のような理由で業務に遅れが出やすいです。
- 担当者とのコミュニケーションに時間がかかる
- 委託先が繁忙期の場合、施策をスタートするまでにタイムラグが生じる
- 委託先の契約で月間作業時間に制限がある
上記のような理由からSEOの実行スピードが遅れてしまうことも珍しくありません。
この点、社内で完結できるインハウスSEOであれば、外部委託と比較して迅速に施策を遂行できるでしょう。
前述したようにSEOはアルゴリズムとの戦い(如何にアルゴリズム、ユーザーに寄り添うかが重要)です。アップデートや日々の傾向を見極め、施策と評価のPDCAのサイクルを如何に早く回すかが重要になります。
外部委託ですと月に一度の施策実行評価ですが、社内であれば、月何度でもPDCAを回すことが可能になります。
外部にアウトソーシングする場合、委託先のリソースや月間の作業時間に制限があるケースもあるため、必ずしもスピーディーに業務を進められるわけではありません。
月の途中で施策の軌道修正や変更にも迅速に対応できるのは、インハウスならではのメリットと言えます。
インハウスSEOのデメリット3つ
ここでは、インハウスSEOのデメリットについて見ていきましょう。
- SEOスキルを持った専門人材を確保する必要がある
- 最新のSEO事情をキャッチアップしづらい
- 人件費や育成コストがかかる
SEOスキルを持った専門人材を確保する必要がある
SEOをインハウス化するには、当然ながら知見を持った人材の確保が不可欠です。
SEOにはさまざまな検索エンジンの知識が求められるため、人材を育成するには時間がかかる点を考慮しなければなりません。すぐにでもSEOの施策をスタートしたい場合は、必要な業務をリストアップして外部に委託することも検討しましょう。
また、SEO専門知識を有する人材から内製化支援を受けながら、SEOの考え方や実装については自社にで行う、実装を行う中で社内にSEOの知見を蓄積することも可能です。
弊社では1人分の人件費ほどでSEO内製化支援をスタートできますので、インハウスSEOを検討している方は、お気軽にお問い合わせください。
最新のSEO事情をキャッチアップしづらい
SEOをインハウス化すると、SEOに関する最新事情をキャッチアップしづらくなる場合があります。
特に、自社のみですと、(横の繋がりが無いため)最新のアップデートの傾向がつかみにくかったりや他業界での傾向も入りにくいことがあります。
SEOの専門業者は、アルゴリズムアップデートやどのようなコンテンツが上位に表示されるかなどを毎日敏感にチェックしているものです。また、SEO業者同士で情報交換できるため、最新情報をキャッチアップしやすいでしょう。複数のクライアントサイトでSEOを実施しているので、知見も貯まりやすいです。
この点、インハウスSEOは1つのサイト(または少数のサイト)を対象にしているため、ノウハウが陳腐化する可能性があります。
最新のSEO事情を把握して自社サイトに応用するためには、自ら学びテストできる人材が求められるでしょう。
人件費や育成コストがかかる
SEOをインハウス化するには、人件費や育成コストがかかります。
特にインハウス化をスタートする初期は、SEO用のツールの導入や内製化支援などの費用がかかる点を考慮しておきましょう。初期コストはかかるものの、正しい方法でインハウス化を進めれば、外部に委託し続けるよりもはるかに費用対効果はよくなります。
SEOは対策が自社の資産として蓄積されるタイプのマーケティング施策ですので、長年対策を行えば行うほどその恩恵(費用対効果)は計り知れないものになります。
長期的にはSEOをインハウス化することは企業のマーケティング活動にとってかなり有益な選択となるでしょう。
インハウスSEOに向いている企業の特徴
ここではインハウスSEOに向いている企業の特徴を、2つのポイントに絞ってお伝えします。
- SEOの知識を持っている人材がいる
- 社内の上層部がSEOの重要性について理解している
SEOの知識を持っている人材がいる
自社にSEOの知識やスキルを持っている人材がいる場合は、スムーズにインハウスSEOを進められるでしょう。
SEOに詳しい人を専任の担当者にできれば、PDCAを回して成果につなげていけます。
ここでポイントになるのは、SEOの担当者として業務を専任できるかどうかです。SEOはデータの分析からコンテンツ制作など、業務を遂行するには時間がかかります。そのため、他の業務と兼任している場合、SEO施策に専念できず成果が出づらくなってしまうでしょう。
SEOの知見があるだけでなく、専任の担当者にできるかどうかも検討することが大切です。
社内の上層部がSEOの重要性について理解している
社内の上の役職の方がSEOの重要性について理解している企業は、インハウスSEOを進めやすいと言えます。
というのも、SEOは成果が出るまでに最低でも6ヶ月〜1年ほどかかるからです。
- サイトの最適化(内部対策)
- 定期的なコンテンツの公開
- コンテンツのリライトやサイトのメンテナンス
- 信頼性向上施策(相互リンクの依頼作業なども細かい作業ですが、チリツモです)
SEOは上記のような作業を積み上げることで、徐々に検索エンジンに評価されていきます。
このような特徴を社内の上の役職の方が理解していない場合「成果が出ない施策をいつまでやっているんだ」と思われてしまうかもしれません。その結果、成果が出始めているにもかかわらず、道半ばでプロジェクトが終了してしまう可能性もあります。
インハウスSEOを達成するには、社内の人間に理解を得るために資料を作成して、成果が出る目安や長期的には費用対効果が高い施策である点を説明しておくとよいでしょう。
また、SEOはその施策が長年続けることで自社の資産になるので、決して無駄な施策でないという点を上の方に理解してもらう事も重要です。
セミインハウスSEOという選択肢も
上記で述べたように、専門人材がいない限りはいきないインハウスSEOは、内製化支援でも受けない限りは難しいと言えます。
そこでおすすめしたいのが、セミインハウスSEOです。
一部をSEO業者に委託しつつ、一部は自社で巻き取るというものです。
例えば以下のような形がありえます。
- SEOの方針決め、分析は専門業者(イニシャルのみ)
- その後のコンテンツ制作や内部実装は自社で巻き取る
この形なら継続コンサルティング費用はかかりません。 また商品サービスに対する知見も自社の方が高いため、コンテンツのクオリティも担保可能です。
また、SEOはまずは基本(検索エンジン対策で狙うべきキーワードやキーワードの検索結果傾向、傾向に沿った対策方針)が決まれればそこまで何をすべきか、ぶれることはありません。 インハウスSEOを少しでも考えている方はセミインハウスSEOも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
インハウスSEOの業務内容
ここではインハウスSEOを進める中で発生する業務内容について解説します。
- KPI設定
- キーワード選定
- キーワードの検索結果傾向の見極め
- 対策方針決め
- 予算確保
- サイト内部対策
- コンテンツ制作(関連性施策)
- 信頼性向上施策
- +アルファ(コンバージョン率の最適化など)
KPI設定
インハウスSEOを始める際に必要なのがKPIです。
ここでは以下2つの視点からKPIを設定しましょう。
- どんな人を自社サイトに集客したいか
- 訪れた人にどんな行動を取ってもらいたいか
1つ目の「どんな人を自社サイトに集客したいか」はいわゆるターゲット選定で、2つ目の「訪れた人にどんな行動を取ってもらいたいか」は、成果(コンバージョン)を出す上で欠かせない要素になります。
例えば「20代の女性向けに低価格な自社の化粧品を販売したい」という目的がある場合、ターゲットは20代の女性であり、そのターゲットにとってもらいたい行動は商品の購入になるでしょう。
この2つの視点から逆算してKPIを設定していくことで、SEOで集客しつつ売上につながるサイトを目指せます。
この点KPIツリーを作成し、セッションやCV数を時系列で予め定義しておくことで現在の進捗とその差分を把握し、ギャップを埋める施策を推進することが可能になります。
上記はKPIサンプルです。
よくあるミスとしては「〇〇というキーワードで検索1位になる」という目標設定です。
そもそもSEO対策は特定のキーワードのみで行うものでないですし(あくまで検索エンジンにフィットする対策なので特定のキーワードのみを意識して行うものではない)、そのキーワードが必ずしもコンバージョンにつながるとは限りません。
SEOにおいて検索順位はとても大事な要素になりますが、それは1つのサブKPIのようなもので、順位の先に流入があり、流入の先にCVがあります。
ビジネスである以上は、CVしてなんぼですので、この点を見誤ってはいけません。
インハウスSEOを通じて自社サイトのSEOを目指すのであれば、ターゲットと求める成果から逆算してKPIを設定するようにしましょう。
キーワード選定
ターゲットがどんなキーワードで検索するのか、様々なキーワードツールを駆使して、対策すべきキーワードを抽出します。
Ahrefs(エイチレフス)やSemrush(セムラッシュ)というツールやGoogleのキープランナーなどを使用していきます。
また、ターゲットの心理になって自分だったらどんなキーワードで検索するだろうと想像することも1つの手です。
競合がどんなキーワードで上位表示しているのか、検索ボリュームはいくつなのかなどからある程度のキーワードに絞り込みます(数百~数千キーワードになることが多いです)。 そのうえで、キーワードをある程度グルーピングして行きます。
キーワードの検索結果傾向の見極め
キーワードごとに実際に検索結果を見て、上位表示が可能なのかを判断します。 そもそもキーワードの種別として
- サービスサイトで上がりやすいキーワードなのか?Doクエリ
- 記事やブログで上がりやすいキーワードなのか?Knowクエリ
という大まかな2種類の種別があります。
※他にもGoクエリなどもあります。
この判別を行い、狙っているキーワードがサービスサイトで対策すべきキーワードなのか、記事などのオウンドメディアで対策すべきなのか、対策領域を明確にします。
また、1つ1つのキーワードで検索結果を見た際にそもそも上位表示が難しい場合もありえます。
わかりやすい例が『ワンピース』と検索した際に、1位や2位など上位をみると、漫画のワンピースなわけです。
つまりGoogleとしては『ワンピース』といえば漫画のことだよね!?と考えてユーザーに情報を提供している訳です。
これはGoogleの意味の理解のアルゴリズム(ハミングバードと言います)によるところなので、Google=ユーザーに寄り添うとなれば、アパレルのサイトで『ワンピース』を1位にすることは2024年現在では難しいわけです。
こういうアルゴリズムに沿ってキーワードの対策可否を見極めるのも重要な対策の1つになります。
キーワードの検索結果傾向の見極め
前述のようにキーワードの検索結果傾向を見極めて、対策すべきキーワード群がDoクエリなのかKnowクエリなのか、対策領域はサービスページなのか記事なのかをある程度見極め、その上で対策方針を決めます。
直近のアルゴリズムアップデートではたとえば○○というキーワード単位ではこういうコンテンツを持っているサイトが上位表示している、よって差分のあるコンテンツを追加しようという具合に、ある程度のキーワードの粒度で対策を決めていきます。
予算確保
KPIを設定したら、インハウスSEOを実行するために予算を確保するため社内折衝を行います。
インハウスSEOは外注コストがかからない分、以下のような費用がかかります。
- サイトの内部改修やメンテナンス費用
- 社員の育成コスト
- SEO専用ツールの利用料
上記のような費用を計算しておき、必要な予算を算出しておくことが大切です。
社内折衝を進めるにあたり、インハウスSEOで自社にどれほどのポジティブなインパクトがあるのかがイメージできるように、シミュレーションをまとめた資料などを作成しておくとよいでしょう。
ここは中長期で回収見込みがある、少し回収までに時間のかかる施策であるということを SEOの知識がない人にでもわかるような資料を作っておくことが重要です。
サイト内部対策(内部SEO改善)
インハウスSEOの土台が整ったところで、まずはじめにサイトの改善を行います。
サイト改善はWebサイトを検索エンジンに最適化する対策です。
具体的には以下のような改善を行います。
一部ご説明しますと
- 内部リンクの整理と最適化
サイト内の関連性が高いコンテンツ同士をリンクさせる - 重複コンテンツの削除
同じ内容のコンテンツを削除する - 表示速度の改善
ページの表示速度を高速化する - スマホ表示の最適化
スマホで見やすいようにレイアウトを改善する - 導線設計の見直し
コンバージョンにつながる導線を見直して改善する
など多数の項目の実装、対策が必要になります。
ここで行う対策内容はSEOに強いサイトを構築するために不可欠です。長期的に成果を上げるためにも、サイト改善、内部対策は積み重ねです。毎月しっかり行っていきましょう。
コンテンツ制作(関連性施策)
コンテンツ制作はSEO施策の中でも重要度の高い業務です。
ターゲットが検索エンジンから自社サイトに訪れるキッカケとなるのがコンテンツになります。
前述したキーワードの傾向を見極め、以下の対策を行って質の高いコンテンツを制作しましょう。
- 検索ニーズを網羅したコンテンツ制作
キーワードの検索ニーズにマッチした記事を作成 - タイトルタグやメタディスクリプションの設定
タイトルとコンテンツの説明文にキーワードを盛り込む - 見出しタグを適切に使う
H1、H2、H3などの見出しタグを構造的に設置する
など。
コンテンツの内容は検索ニーズ=ユーザーニーズを満たすもの(前述の『ワンピース』の例を参照)がポイントになります。
コンテンツ制作の際は上位表示している競合のコンテンツを参考にしつつ、自社だから提供できる内容(独自要素)をしっかり盛りこむことが重要です。
この点、外部のSEO業者ですと独自要素のコンテンツ制作が難しい場合が多く、オリジナル性の高いコンテンツ制作が可能という点はインハウスSEOのメリットの1つでもあります。
近年ではEEEATという指標をGoogleも発表しており、より独自要素(体験コンテンツ)が重要視されることは今後も間違いないと思われます。
また、該当のキーワードをページのタイトル、見出し、本文、説明文などに違和感がないようにキーワードを盛り込んでいきます。むやみやたらと盛りこむのではなく、必要な範囲で盛りこみます。
やはりGoogleにこのページには何のテーマで書かれているのか?のテーマ性を伝えるにはキーワードの盛り込みがまだ必要です。
ページ、センテンスにどんな内容、意味合いが含まれているのかをキーワードによらずともくみ取れるようにアルゴリズムを日々Googleは更新していますが、それでもなお、キーワードの盛り込みはまだまだ重要な施策の1つです。
まずは検索上位を獲得したいキーワードを実際に検索してみましょう。
上位に表示されている競合他社のコンテンツを参考に、どのような内容にすべきかを考察してみるのがおすすめです。
+アルファ(コンバージョン率の最適化、CRO対策)
コンバージョン率の最適化は、CRO(Conversion Rate Optimization)を日本語にしたもので、自社サイトで成果を向上させるための施策になります。
- 商品の購入
- 問い合わせ獲得
- リード獲得
- 資料請求
- サービスの申し込み
- アプリのダウンロード
- アカウント作成
企業によって求める成果は異なりますが、主に上記のような目的を達成するためにSEOを実行しているでしょう。
コンバージョン率を最適化するには、ユーザーがどのようにサイト内を回遊しているか分析して、適切な導線設計を行なう必要があります。また、問い合わせフォームや決済ページをわかりやすくすることも効果的です。
これ自体はSEO対策ではないものの、SEO対策が奏功し、流入が増えてきた後は、CROも重要な施策になっていきます。
PDCAを回しながらコンバージョン率の最適化も図っていきましょう。
【インハウスSEOについて相談する】
インハウスSEOの実践方法
ここではインハウスSEOの進め方について解説します。
- SEOの内製化を支援している会社を選ぶ
- 施策を実行しながらノウハウや知見を蓄積する
- 社内のスタッフのみで自走と改善を行なう
SEOの内製化を支援している会社を選ぶ
はじめにインハウスSEOを支援している会社を選定しましょう。
前述した通り、SEOにはさまざまな業務があるため、スキルのあるプロの手を借りて正しいやり方を身につけることが重要です。
内製化支援会社を選ぶ際は、以下のポイントをチェックしましょう。
- 業務の対応範囲
- 過去の実績や成功事例
- 担当者の質
まず、内製化支援会社がどのような業務に対応しているか確認してみてください。
なぜなら、当初の目的がSEOのインハウス化だとしても、広告運用やSNS運用などのインハウス化も依頼したくなる可能性があるからです。特に広告運用はSEOと比較すると、短期間で集客できる特徴があります。SEOと組み合わせることで、お互いのデメリットを補完できるので、インハウス化する企業も少なくありません。
幅広い業務に対応していれば、別の内製化支援会社を探す手間も省けるでしょう。
また、内製化支援会社を選ぶ際は、過去の実績や成功事例を確認することも大切です。自社と似たような課題を解決した実績があれば、一つの判断材料になるでしょう。
合わせて、どのような担当者がついてくれるのかも重要です。
内製化支援会社によっては、経験の浅い新卒の担当者をつけられてしまうケースもあります。支援会社だけでなく、担当者自身の質や実績も確認するとより安心です。
施策を実行しながらノウハウや知見を蓄積する
内製化支援会社のサポートしてもらいながら、社内にノウハウや知見を蓄積していきます。
- 支援会社の担当者からSEOの業務を教えてもらう
- 自社のSEO担当が実際に業務を実行する
- 支援会社の担当者からフィードバックをもらう
- フィードバックを参考に業務をブラッシュアップする
上記のような流れでインハウスSEOを進めていきます。
アクセス解析ツールやコンテンツの制作方法、サイトのメンテナンス方法などを学んで、知見を蓄積しましょう。
社内のスタッフのみで自走と改善を行なう
自社のSEO担当に知見が貯まってきたら、社内のスタッフのみでSEOを自走しつつ改善を繰り返します。
SEOでは、検索エンジンのアルゴリズムアップデートによって対策方法を変える必要も出てくるため、最新のSEO事情に対応するためにもSEO業界のセミナーや研修に参加して情報収集するようにしましょう。
SEOの成果を定期的にレビューしながら改善を行うことも大切です。
内製化支援会社から学んだSEOのノウハウを活かして、自社サイトをブラッシュアップしていきましょう。
インハウスSEOを成功させるポイント
ここではインハウスSEOを成功させるポイントを2つに絞って紹介します。
- 分析ツールで競合他社をベンチマークする
- チーム内の柔軟性と適応性を高める
分析ツールで競合他社をベンチマークする
インハウスSEOで成果を出すには、競合他社をベンチマークすることをおすすめします。
- どのようなキーワードでコンテンツを制作しているか
- どのようなコンテンツが検索上位を獲得しているか
- 検索上位のコンテンツはどのような外部リンクを獲得しているか
上記のような要素を分析できるため、自社サイトのSEOに応用できるからです。
競合分析ツールはAhrefs(エイチレフス)やSemrush(セムラッシュ)などがあります。ツールによって利用料金が異なるので、自社の費用感に合ったものを選んでベンチマークしていきましょう。
チーム内の柔軟性と適応性を高める
インハウスSEOを社内チームで実行する際は、チーム内の柔軟性や適応性を高めることが大切です。
前述した通り、SEOはアルゴリズムアップデートによって、その時々の対策方法が変わります。アルゴリズムのアップデート前は検索上位に位置していたコンテンツが、アップデートを期に順位を落とすケースも少なくありません。
この際、以前のやり方に固執してしまうと、検索エンジンに評価されず流入数が低下することもあるでしょう。
コンテンツが順位を落とした理由を探り、その時々のトレンドに合った対策をできることがとても重要になります。
腰が重くなり施策を実行する速度が落ちてしまうと、成果が落ちてしまいやすいので注意しましょう。
セミインハウスSEO・アウトソースSEOの特徴
インハウスSEO以外の選択肢としてセミハウスSEOやアウトソースSEOなどがあります。
ここでは、セミハウスSEOとアウトソースSEOの特徴を理解しておきましょう。
セミインハウスSEOの特徴
セミインハウスSEOは、前述したように一部のSEO業務をインハウス化することを指します。
例えば社内にリソースが足りなかったり、SEOのスキルを持った人材がいなかったりするケースもあるでしょう。このような状況では、すべてのSEO業務をインハウス化するのは困難です。
まずは難易度が低めのSEO業務からインハウス化して、徐々に自社が負担する業務を増やしていきたい場合などにセミインハウスSEOは最適と言えるでしょう。
社内スタッフのレベルに合わせて、インハウス化を進められるのがメリットです。
アウトソースSEOの特徴
アウトソースSEOは、すべてのSEO業務をアウトソーシング(外注)することを指します。
自社にSEO業務に専念できる人材がいないものの、できるだけ迅速に施策を実行したいときはアウトソースSEOが最適です。ただし、アウトソースSEOは社内に知見が蓄積できないデメリットもあります。
そのため、将来的にインハウス化を目指している方は、内製化支援会社のサポートを受けながら、セミインハウスSEO→インハウスSEOという流れで進めていくとよいでしょう。
バクリのインハウスSEOに関する成功事例
ここでは、弊社バクリのインハウスSEOに関する成功事例を2つ紹介します。
SEOや広告運用の内製化支援を行い半年で売上300%アップした事例
こちらの事例では、SEOを含むWebマーケティング全般のインハウス化を行い、支援から半年で売上を300%アップした事例です。
クライアント様が抱えていた課題としては、自社でリスティング広告などを行っているものの、CPA(コストパーアクション)の基準が曖昧なため、施策の優先順位がつけにくいことでした。
そこでまず弊社では、マーケティング全般の目標設定や施策のロードマップの整理からサポートさせていただきました。データの計測方法を改善し、定量的で明確な目標設定ができるようにして、施策に優先順位をつけました。
- Web広告(リスティング広告など)
- SEO対策(内部対策+関連性強化+信頼性強化)
- ブログによるコンテンツマーケティング(読み物、記事の継続的追加)
- SNSアカウントでの情報発信
- メルマガ(MA導入)
- 既存コンテンツ強化
上記の施策に土台となる基準CPAを設け、実現可能性がある施策からロードマップを引いて試運転を行いました。
リスティング広告の内製化からはじめ、SEOも徐々に内製化の御手伝いをしてまいりました。 リスティング広告でCVRの高いキーワードをSEおでも狙うという相乗効果もありました。
※一部記事のライティングなどは外部のパートナーさんに発注しています。
SEOを含む複数の施策をインハウス化した事例
こちらの事例もマーケティング全般の目標設定から施策のロードマップ整理まで行った事例になります。
クライアント様の企業では、自社にWebディレクターが1名いるもののリソースが足りておらず、SEOを含むマーケティング全般の施策で目標設定が曖昧なことや競合等の差別化に課題を感じていました。
そこで弊社では、現状どのくらいの改善余地があるのかや、課題に対してどのような施策が有効か整理してロードマップを作成しました。
- Web広告(リスティング広告など)
- SEO対策(サービスサイトでCVに繋がるKWで対策)
- ブログによるコンテンツマーケティング(ここはターゲット認知を目的とする)
- SNS広告(X、metaなど興味関心がセグメントができるもの)
- アフィリエイト広告も検討
- リターゲティング広告
お問い合わせ件数を増やすために上記のような施策を洗い出し、そのうえで優先度の高い施策から改善を行っています。
ブログの移管のSEOの1つのプロジェクトとしてあり、この際にはSEO対策のみならず、ユーザー目線でブログのUIUXにもこだわって移管作業を行いました。
現在は自社で行っている業務全体を俯瞰的に見れるようになり、優先度の高い施策からインハウス化を支援させていただいています。
バクリからのワンポイントアドバイス
SEOのインハウス化は正直なところいきなり来月からインハウス化ということが難しい、またインハウス化したからといってすぐにSEO効果がでるものではないので、中長期でプロジェクトを進行することが大切です。
まずはセミインハウスSEOからはじめ、その後インハウスSEOなど手順を踏んでいくとよいでしょう。
今回の記事の学び
インハウスSEOとは、自社でSEO施策を内製化することを意味する言葉です。
SEO業務に関する知見を社内に蓄積でき外部に依存しないため、迅速な対応や外注コストを削減できます。専門性の高いSEO業務だからこそ、インハウスSEOに切り替えることで費用対効果を向上させられるでしょう。
インハウスSEOを実行する際は、明確なKPIを設定したうえで社内折衝を行い、施策をスタートする必要があります。長期的に取り組まなければ成果が出にくいSEOだからこそ、事前に社内の理解を得ておくことが大切です。
「SEOについてどのような目標設定をすべきかわからない」
「自社がどのようにインハウス化していけばいいのか不安」
その場合は弊社にご相談ください。 インハウスSEOの伴走支援だけでなく、セミインハウスSEOやアウトソースSEOなど、目的に応じたプランをご提案いたします。
場合によっては採用からお手伝いさせていただくことも可能です。 SEO以外にもWebマーケティングの施策全般に対応しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
【インハウスSEOについて相談する】