【解決法を伝授】なぜ実コンバージョンは乖離してしまう?
代理店に広告運用を依頼する際、代理店から提出されるレポートや管理画面のコンバージョン数と、実際に売り上げたコンバージョン数に乖離起きることがあります。
「コンバージョンが100件発生している!CPAも1万円で、目標CPAや目標コンバージョン数を達成している!」と喜んだものの、実際にECサイトの管理画面を確認すると、「100件も発生していないじゃないか。」と落胆したことがあるWEB担当者もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、媒体コンバージョンと実際のコンバージョン数が一致しない理由と対策方法を解説します。
この記事のポイント
- 媒体コンバージョンと実コンバージョン数に乖離が起きる原因と対策方法
- コンバージョン数の乖離を防ぐための設定方法まとめ
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媒体コンバージョンと実コンバージョン数に乖離が起きる原因3つ

コンバージョン数が増えているように見える理由は主に以下の3つです。
- 直接的でないコンバージョン(ラストコンバージョン以外)が含まれている
- 媒体同士は干渉していない
- 媒体の設定でコンバージョンが出やすい設定となっている
順に解説します。
①ラストコンバージョン以外が含まれている
ラストコンバージョン以外の数値が含まれている場合があります。
例えば、クリックによるラストコンバージョンだけでなく、広告を見ただけでコンバージョンとカウントされる「ビュースルーコンバージョン」も含まれているなどです。
実際のコンバージョン(実コンバージョン)は、広告をクリックしたユーザーのみをカウントすべきですが、ビュースルーコンバージョンは広告を見ただけのユーザーも含まれます。
対策方法
広告の効果を強調したい意図から、ビュースルーコンバージョンを計上することがありますが、広告が見られたからといって売れるとは限りません。ECサイトなど、実際の購入を重視する場合は、ビュースルーコンバージョンを除外し、実コンバージョンだけを評価すべきです。
とくに、Meta広告(旧Facebook広告)では、デフォルト設定でクリックコンバージョンだけでなくビュースルーコンバージョンも含まれる設定なので、注意が必要です。

上記のアトリビューション設定では、「広告を見て1日以内にクリックしただけでコンバージョン」にカウントされてしまいます。
代理店や広告運用者は、この設定を適切に変更し、実際のビジネスに即した計測を行うようにしましょう。こういった点も「実コンバージョンと乖離が生まれるので他の設定に変更しませんか?」と提案してくれる代理店は信頼できます。
②媒体同士は干渉していない
各広告媒体同士、他の媒体のコンバージョンを認識できないことも理由です。

上記の図は、Google広告、Criteo広告、Yahoo!広告を横断してコンバージョンしたケースです。
Google、Criteo、Yahoo!は、お互いのコンバージョンを認識できません。つまり、「Aさんは最終的にYahoo !広告を経由したため、Google、CRITEOのCV数は自動で削除される」ことにならないのです。
そのため、同じユーザーが複数の広告媒体を経由した場合、それぞれの媒体でコンバージョンがカウントされてしまい、媒体レポートでは下記の3件と表示されてしまいます。
- 12月6日にGoogle広告をクリックしてコンバージョン
- 12月15日にCriteo広告をクリック してコンバージョン
- 1月2日にYahoo広告をクリック してコンバージョン
この場合、顧客獲得単価(CPA)にも乖離が生まれてしまいます。実際には1万円で1件のコンバージョンのところ、コンバージョンが3件発生していることになると、CPAは約3,000円です。実際の金額と3倍の誤差が生じています。
対策方法
この問題を解決するには、それぞれの管理画面を横断して閲覧できるツールの導入が必要です。
Googleアナリティクスなどの横断ツールを活用し、一つの管理画面で実際のコンバージョン数を正確に計測しましょう。横断ツールを導入することで、実コンバージョンに近いレポーティングが可能です。
もちろん、アナリティクスの設定で、データドリブンやラストクリック、ラストコンバージョンが見れる設定をおこなってください。
他にも横断ツールはありますが、このようなツールはデータをまとめてしっかり可視化してくれるものを選んでください。
③管理画面の設定によりコンバージョンが出やすくなっている
管理画面の設定が商材にあってなくコンバージョンが出やすくなっているケースもあります。
対策方法
コンバージョンを適切に計測するためには、それぞれの設定を商材に合わせておこなうことが大切です。ポイントとなる設定項目を解説します。
【カウント方法】

上記の図のとおり、広告媒体の管理画面の設定には、次の2つがあります。
- 全件:総コンバージョン
- 初回のみ:ユニークコンバージョン
これは、ビジネスよって適切な設定が異なるため、自社の商材に合わせて設定しましょう。
例えば、新規ユーザーからの問い合わせを重視する商材は「初回のみ」が適切です。一方リピーターも含めた問い合わせの総数を重視する場合は「全件」が良いでしょう。
【クリックスルーコンバージョンの計測期間】

クリックスルーコンバージョンの計測期間も商材に合わせて設定します。これは、クリックされてから何日以内のコンバージョンを計測するのかというところです。
例えば、自動車など高額商品の場合、ユーザーの検討期間が長いです。一方、日用品などの消耗品や低単価の商材はユーザーが即決する傾向があります。即決される商材に対し、30日の計測期間は適切とはいえません。実態に乖離したコンバージョンとなってしまいます。
貴社商材に合わせた検討期間を代理店へ伝え、適切に設定してもらいましょう。
【アトリビューションモデル】

アトリビューションモデルも、商材に合わせて適切に設定しましょう。
Googleでは、ラストだけを見ずにさまざまな貢献度合いを見ることを推奨し「データドリブン」がデフォルトとなっています。
しかしECサイトなどは、商材が売れない限り、売上になりません。そのため計測すべきはラストコンバージョンだといえます。ECのように売れてなんぼの業界は、基本的にはラストコンバージョンベースで計測していくと乖離が起きにくくなります。
【まとめ】コンバージョン数の乖離を防ぐための設定方法

本記事で解説したコンバージョン数の乖離を防ぐための方法をまとめると次のとおりです。
- 実コンバージョンのみを評価する
L ビュースルーコンバージョンを除外
L ラストコンバージョンを評価基準にする - 横断ツールを活用する
L Googleアナリティクスやアドエビスなどを導入し、媒体間の重複を除去 - 自社の商材やビジネスモデルに合わせたコンバージョン設定を行う
L 計測期間を適切に設定
L 「初回のみ」「全件」設定を商材に応じて選択
これらの対策を行うことで、より正確なコンバージョンデータを取得でき、代理店からもらうレポートが実際のコンバージョンに近づきます。
このレポートを元にして改善施策を打ち出すことで、より効果的に売上を向上していけます。結果としてマーケティングに投下できる予算がどんどん増えていくため、さらなるビジネスの加速につながります。
代理店からもらうレポートと実際のコンバージョンに乖離がある際は、本記事で解説した設定を改めて代理店と見直してみてください。
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この記事を書いた人

代表取締役 荒川 大史
経歴
Webマーケティング歴20年。
インターネット専門の広告代理店にて、営業、マーケティング、コンサルタントとして従事。
SEO部署の立ち上げに関わるなど、検索エンジンマーケティングを中心にマーケティングを支援。
WEB広告からマーケティングの戦略立案から、WEB制作まで幅広くWEBの集客のお困りごとなら何でもご相談可能。
一環したネットマーケティング支援を軸として、⾦融、美容、医療、コンサルティング会社などのお客様を幅広い実績あり。
Googleアナリティクスなどによるアクセス分析コンサルティングなども手掛ける。
上級ウェブ解析⼠。
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会、ブランドマネージャー、薬機法取得者。
ちなみに、SEOが趣味(笑)

