【広告担当者必見】指名キーワードのリスティング広告、本当に必要?

自社の商品名やサービス名となる「指名キーワード」がSEOで1位を獲得しているとき、「リスティング広告は指名キーワードで出稿しなくていいのでは?」と思うかもしれません。

今日のテーマは、リスティング広告で指名キーワードを出稿すべきかについて解説します。

この記事のポイント

  1. リスティング広告で指名キーワードは出稿すべき?
  2. リスティング広告の指名キーワードはSEOで1位を獲得していても出稿した方が良い
  3. SEOの検索結果1位でリスティング広告出稿分のCVをカバーできない理由【bakuriによる分析と仮説】

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リスティング広告で指名キーワードは出稿すべき?

リスティング広告の指名キーワードに対して出稿すべきでしょうか。

指名キーワード群にかなりのコンバージョンが偏ってしまい、全体のCPA(顧客獲得単価)が合っているパターンはよくあります。

しかし、よく見てみると一般キーワードのCPAが非常に高く、指名キーワードのCPAが非常に安くなっているため、運用全体のCPAがギリギリのところで合っている状況が多いです。

このような状況は、広告運用しているとよくあるものです。その上で、クライアントから言われて困る一言があります。

それは「SEOで指名キーワード1位だから、リスティング広告の出稿はしなくていいのでは?」というものです。

このような要望は、代理店からすると、一瞬答えに窮します。

指名キーワードでSEO1位を獲得しているから、出稿を停止したい気持ちは分かりますが、指名キーワードの出稿を停止してしまったら、全体のCPAが高騰しまいます。

具体的に説明すると以下のとおりです。

【例:指名キーワード出稿パターン】CPAは「695円」

キーワードクリック単価クリック回数CVに繋がった件数
一般キーワード「美顔器 おすすめ」200円508
指名キーワード「美顔器A」
※美顔器の商品名
50円5010

【例:指名キーワード出稿しないパターン】CPAは「1250円」

キーワードクリック単価クリック回数CVに繋がった件数
一般キーワード「美顔器 おすすめ」200円508

CPAが高騰してしまうため、できれば指名キーワードを出稿したいと広告代理店が考えます。

今後、競合企業が指名キーワードで出稿してくる可能性も考え、上位表示を維持するためにも「指名キーワードの出稿」をアドバイスするかもしれません。

ただ、クライアント側からすると、予算をかけているため、指名キーワードで現状SEO1位を獲得しているのであれば、競合他社が出稿してくるのを待ってから、こちらも出稿すればいいと思うものです。

それでは本当に「指名キーワード」の出稿は停止した方が良いのでしょうか?

リスティング広告の指名キーワードはSEOで1位を獲得していても出稿した方が良い

結論、指名キーワードがSEOで1位を獲得していたとしても、指名キーワードでリスティング広告を出稿した方が良いです。

上記の図のとおり、指名キーワードでリスティング広告を出稿した月の方が、全体のコンバージョン数が多いためです。

  • SEOで1位獲得+リスティング広告の指名キーワード出稿=900件
  • SEOで1位獲得=800件

クライアント側の要望通りに指名キーワードを停めると、SEOで1位を獲得していたとしても、リスティング広告分のコンバージョン数をカバーするのは難しいのが現状です。上記の図のとおり、オーガニックだけだと800件のみとなります。

SEOで1位獲得だけだと、全体のカバー率は約90%となり、残りの10%はカバーできず消えてしまいます。

これを踏まえると、より多くのコンバージョンを獲得したいときは、SEOで1位を獲得していても指名キーワードで出稿した方がいいと言えます。

SEOの検索結果1位でリスティング広告出稿分のCVをカバーできない理由【bakuriによる分析と仮説】

なぜ、このようなこのような結果になるのか仮説があります。

それは、リスティング広告のみをクリックする層がいるのではないかということです。

これにも3つの仮説があります。

1つ目は、答えをいち早く知りたい層(急いでいる層)です。特に、急ぎで必要な商材だと、表示されている順にクリックします。

2つ目は、広告とSEOの境目がよく分かってない層です。Googleで検索すると、スポンサーという表記をして広告とSEOを棲み分けています。

しかし、スポンサー表記が小さく見づらいことや、年配の方やインターネットを使い慣れていない方などがクリックしているのではと思います。

3つ目は、リスティング広告が大好きで広告しかクリックしないような少数派の層です。

上記のような仮説があるため、リスティング広告+SEOはコンバージョン総数を獲得するという意味では有効です。

まとめ

コンバージョンの総数を取りたいのであれば、指名キーワードは出稿しましょう。

逆に費用対効果を求められる場合、指名キーワード分の費用がかかってくるため、やめたほうがいいという結論になります。

有名企業であればあるほど、指名キーワードのクリック単価が高いこともあります。このような場合であれば、指名キーワードでの出稿を停めるのも1つの選択肢です。

より多くのコンバージョンを獲得したい場合は、指名キーワード+SEO対策の施策をおこないましょう。

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この記事を書いた人

荒川 大史

代表取締役  荒川 大史

経歴

Webマーケティング歴20年。
インターネット専門の広告代理店にて、営業、マーケティング、コンサルタントとして従事。
SEO部署の立ち上げに関わるなど、検索エンジンマーケティングを中心にマーケティングを支援。
WEB広告からマーケティングの戦略立案から、WEB制作まで幅広くWEBの集客のお困りごとなら何でもご相談可能。
一環したネットマーケティング支援を軸として、⾦融、美容、医療、コンサルティング会社などのお客様を幅広い実績あり。
Googleアナリティクスなどによるアクセス分析コンサルティングなども手掛ける。
上級ウェブ解析⼠。
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会、ブランドマネージャー、薬機法取得者。
ちなみに、SEOが趣味(笑)

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