ネット広告代理店のメリット・デメリット【15の選定基準とインハウス運用への切換のタイミング】
「ネット広告代理店には、どんなメリットとデメリットがあるのだろう?」
「今契約している代理店では成果が出ていないから、正しい代理店の選び方や、その他の選択肢についても知りたい」
ネット広告の運用を代理店に任せているものの、思うような成果が出ていない場合もあるでしょう。
実際に数あるネット広告代理店の中から、自社に合った一社を見つけるのは簡単なことではありません。数多い代理店の中から自社にぴったりの代理店を見つけるのは結婚くらい難しいといえます。
マッチする代理店を見つけるには、メリット・デメリットや選び方について知識を持っておく必要性があります。
お相手の性格や人生の成り立ち、考え方を知らずしてよい結婚はできないのです。
また、代理店の乗り換えだけでなく、インハウス運用への切り替えも検討すべきです。
本記事では、ネット広告代理店のメリット・デメリットと選び方、インハウス運用などについて解説します。
今回の記事のポイント
・ネット広告代理店に依頼するメリットとデメリットはなんですか?
ネット広告代理店に依頼するメリットは、経験豊富なプロに運用を任せられること、自社に合った広告媒体を提案してもらえること、社内リソースを節約できること、広告運用に関する最新情報を共有してもらえることなどがあります。
デメリットは広告出稿金額が高いと手数料が割高になること、自社にノウハウや知見が貯まりにくいこと、担当者の知識レベルが足りない可能性があること、迅速に対応してもらえないことなどです。
・自社に合ったネット広告代理店の選び方はありますか?
自社に合ったネット広告代理店を選ぶ際は、運用体制や契約内容、サービス内容、実績などを確認することが大切です。特に担当者の質やリソース状況、最低契約期間などは事前にチェックするようにしましょう。
・広告代理店の乗り換えや、インハウス運用に切り替えるタイミングはいつですか?
広告代理店の乗り換えやインハウス運用へ切り替えを検討すべきタイミングは、担当者のレスポンスが遅く、代理店のモチベーションが低いとき、ミスが多いときなどがよいでしょう。また、定常的に出稿する広告出稿費用が大きくなってきたときは、インハウス運用を検討すべきタイミングと言えます。
【ネット広告代理店について相談する】
広告代理店の役割と業務内容
広告代理店の役割は、クライアントの広告事業をサポートして売上を増加させることです。
主な業務としてはクライアントである広告主と媒体の間に入り、広告業務を代行します。
一昔前ならメディアのバイイングが主な仕事の1つでしたが、今ではWebではメディアは広告主が直接買い付けできる時代です。
主な代理店の役割も変わりつつあります。
例えば、ネット広告の場合、以下のような業務を代理店に任せられます。
- 広告戦略の策定
- 媒体選定(媒体買付=メディアバイイング)
- アカウント構築
- キーワード選定
- タイトル説明文作成
- クリエイティブ作成
- 入稿管理
- 予算管理
- レポーティング
- 効果検証と改善
上記のような業務をサポートし、クライアントに利益を出すのが広告代理店の仕事です。
広告代理店の種類
広告代理店には、主に以下4つの種類があります。
- 総合広告代理店
- 専門広告代理店
- ハウスエージェンシー
- ネット広告代理店
総合広告代理店
総合広告代理店は、テレビ、新聞、雑誌などの大衆向けマスメディアから、電車、バス、タクシーなどの交通広告(OOHなど)、ネット広告などもカバーしている代理店です。
広告に関する全ての業務をサポートしており、商品サービスとユーザー間のコミュニケーション全般の設計から任せられます。さまざまな媒体に対応しているため、クライアントの要望に対応できるのがメリットです。
「テレビCMとネット広告」といったようなメディアミックスや、複数の媒体を掛け合わせられるのも、総合広告代理店の強みです。
専門広告代理店
専門広告代理店は特定の広告媒体や分野や業界などに特化している代理店です。
テレビ、新聞などに特化した代理店もいれば、ネット広告や、屋外広告(OOH)、交通広告などに特化している代理店もいます。また、媒体ではなく求人広告や不動産広告など、特定の分野に特化した代理店も専門広告代理店の一種です。
専門化しているだけあり、深い知識と知見を活かした広告運用ができます。
ただし総合広告代理店のように、複数の媒体を組み合わせることは得意としません。特定の媒体、特定の分野のクライアントとして広告を出すことが決まっている場合は、専門広告代理店を活用するのがおすすめです。
ハウスエージェンシー
ハウスエージェンシーは、特定の企業の広告活動のみを担当する代理店です。
前提としては複数のクライアントを持つことがないため、自社のグループや親会社のクライアント企業のビジネスモデルを深く理解しているのが特徴的です。日本国内ではトヨタやソニーなどの大企業の広告部が分社化して、ハウスエージェンシーになっているようなケースもあります。
また、小田急エージェンシーや京王エージェンシーのような鉄道会社では、グループ会社のみならず、他社の広告運用をサポートしているケースもあります。このような場合、クライアントという視点では総合代理店とも言えますが、自社が持つ鉄道広告枠を有利な価格や優先枠を持っているなどで活用できるのが強みです。
ネット広告代理店
ネット広告代理店は、オンライン、Web上のWeb広告やアプリなどの広告をメインで扱う代理店です。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- SNS広告
- 動画広告
- アフィリエイト広告
上記のような広告に対応しています。
ネット広告は、その他の広告と比較してクリック率や表示回数、ユーザー属性、コンバージョン数などのデータを細かく取得できるのが特徴です。
ターゲットを細かく設定できるため、費用を抑えられるメリットもあります。また、データをもとにPDCAを回して、費用対効果を改善できるのもポイントです。
ネット広告代理店を活用することで、ターゲティングからキーワード選定、アカウントの構築・管理など、運用に必要な業務を一任できます。
スマホが普及した近年では、ネット広告の活用頻度がとても増えてきました。
この記事でも、主にネット広告とネット広告代理店について紹介していきます。
ネット広告代理店に依頼するメリット
ここでは、ネット広告代理店に依頼するメリットについて見ていきましょう。
- 経験豊富なプロに運用を任せられる
- 自社に合った広告媒体を提案してもらえる
- 社内リソースを節約できる
- 広告運用に関する最新情報を共有してもらえる
経験豊富なプロに運用を任せられる
ネット広告代理店に依頼するメリットは、実績経験豊富なプロの担当者に運用を任せられる点です。
ネット広告はさまざまな知識が必要になるため、自社にネット広告に詳しいスタッフがいない場合、初期設定を行うだけでも苦労するでしょう。
- Web戦略策定
- KGI・KPI策定
- ターゲット設計
- キーワード選定
- アカウント構築
- タグの埋め込み
- クリエイティブ制作
- 入稿管理
- レポーティング
- 効果検証と改善
上記のような業務を任せられるので、Web広告、特に運用型広告をスムーズに運用をスタートできます。
これまでに培ってきたネット広告に関する知見を活用してくれるので、成果が期待できるのもポイントと言えるでしょう。
自社に合った広告媒体を提案してもらえる
ネット広告代理店は、自社にあった広告媒体を提案してもらえるメリットもあります。
ネット広告に関する知識がない場合、「どのような広告を出すべきか」を判断するのは難しいです。顕在層に向けた広告か、潜在層に向けた広告かなどでも最適な媒体と出稿方法は異なります。
ネット広告代理店は、クライアントの課題や要望をヒアリングした結果から、最適な戦略を立ててくれるのが魅力です。代理店が持っている過去のデータや成功事例などを参考にできるので、自社のみで戦略を立てるよりも、より効果的なキャンペーンを実現しやすくなるでしょう。
社内リソースを節約できる
ネット広告代理店に依頼することで、(当たり前ですが)社内のリソースを節約できるのもメリットです。
自社でネット広告運用を行う場合、限られた社内のリソースを使わなければなりません。そのため、自社のコア事業に影響してしまうこともあるでしょう。
この点、ネット広告代理店を活用すれば、リソース問題を解消できます。
自社のビジネスモデルに詳しい社内スタッフは、コア事業に専念させて生産性を維持できるでしょう。
広告運用に関する最新情報を共有してもらえる
ネット広告代理店を活用すると、自社ではキャッチアップするのが難しい、広告運用に関する最新情報を共有してもらえるメリットもあります。
ネット広告代理店の中には、GoogleやYahoo!などの広告媒体と連携している企業もあります。そのため、最新情報をいち早くキャッチアップできる体制ができており、クライアントの広告運用にも反映してくれるのが魅力です。
その時々で時代に合ったネット広告運用が行いやすくなるでしょう。
【ネット広告代理店について相談する】
ネット広告代理店に依頼するデメリット
次にネット広告代理店に依頼するデメリットを見ていきましょう。
- 広告出稿金額が高いと手数料が割高になる
- 自社にノウハウや知見が貯まりにくい
- 担当者の知識レベルが足りない可能性がある
- 迅速に対応してもらえないことがある
広告出稿金額が高いと手数料が割高になる
ネット広告代理店のデメリットは、広告出稿金額が高いと手数料が割高になることです。
多くのネット広告代理店は、広告出稿金額に対して15〜20%ほどの手数料がかかります。そのため、広告出稿金額が高くなるほど、代理店に支払う手数料も割高になるのです。
<例>手数料20%(外掛け)の場合
広告出稿金額 | 手数料 |
50万円 | 10万円 |
200万円 | 40万円 |
500万円 | 100万円 |
このように広告出稿金額が増えるほど、手数料も割高になるので、あまりに高額になる場合はインハウス運用も視野に入れるとよいでしょう。
自社にノウハウや知見が貯まりにくい
ネット広告代理店に運用を任せると、自社にノウハウや知見が貯まりにくいデメリットもあります。
基本的にネット広告代理店は、広告運用に関するほとんどの業務を代行します。そのため、社内スタッフが、ネット広告に関する具体的なノウハウや知見を把握するのは難しいです。
もしも将来的にインハウス運用を検討している場合は、ネット広告代理店に丸投げせずに、インハウス支援を受けつつ、スポットで代理店を活用するとよいでしょう。
担当者の知識レベルが足りない可能性がある
ネット広告代理店は、知識レベルが足りていない人が担当者になる可能性があります。
いわゆる担当者ガチャ問題です。
例えば、自社のビジネスモデルや商品、業界などに対して理解せずに施策を実行しても、成果は見込めません。しかし、経験値が低い担当者の場合、汎用的な施策になってしまいがちです。
これは業界がまだ若いということが1つ起因しているかもしれません。
Web業界はまだまだできて20年たらずで、若い方も多い業界です。
比較的若くても1人で大企業のクライアントを任されることもありえます。そのような場合にどうしても、経験部分で、特に商品理解部分や社会経験部分で差違が出てしまうことがあります。
経験が浅いとどうしてもアンパイの汎用的な施策に陥りがちです。業界やクライアントの商品知見を生かした提案が難しくなってしまいます。
担当者ガチャ問題を防ぐためにも、事前にどんな人物が担当者になるのかを確認するようにしましょう。
迅速に対応してもらえないことがある
ネット広告代理店のリソース状況によっては、迅速に対応してもらえないこともあります。
また、担当者のレスポンスが遅い場合、広告クリエイティブの編集や文言の変更などに時間がかかることもあるでしょう。早急な変更が必要なときに対応してもらえないと、ストレスの原因になります。
特にWeb業界は常にリソース不足で忙しいと言われています。
外部リソースが故のデメリットと言えるでしょう。
ネット広告代理店の選び方:15の選定基準
ここでは、自社に合ったネット広告代理店の選び方について紹介します。
そもそもマーケティングとはなんぞや、マーケティング全般の知見があることが前提です。
その上で、
- 運用体制
- 契約内容
- サービス内容
- 実績
で見ていきましょう。
運用体制
運用体制の側面からネット広告代理店を選ぶポイントは以下の通りです。
- 分業型と専任型のどちらか
- 担当者の質が高いか
- 担当者のリソースは空いているか
分業型と専任型のどちらか
ネット広告代理店には、分業型と専任型の2種類の運用体制があります。
- 分業型
業務ごとに異なる担当者がつくタイプ - 専任型
全ての業務を1人の担当者が実行するタイプ
分業型は営業や広告クリエイティブの制作、運用管理などを異なる担当者が実行します。
それぞれに専任者がつくため、質の高いサービスが受けられるのが魅力です。しかし、複数名で広告運用することから認識の齟齬が生じやすいデメリットがあります。
専任型は全ての業務を1名の担当者が請け負ってくれるため、一貫したサービスが受けられる点がメリットです。コミュニケーションコストも最小限で済みます。
ただし、1名の担当者が全ての業務を行うため、実行スピードが落ちやすい側面もあります。
ネット広告代理店を選ぶ際は、どちらの運用体制になっているのか確認するとよいでしょう。
担当者の質が高いか
担当者の質が高いかどうかは、ネット広告代理店を選ぶ際の重要ポイントです。
ネット広告に関する知識やスキルが担当者に不足している場合、思ったような成果を得ることは難しいでしょう。また、担当者が自社の業界や商材を理解していなければ、効果的な広告運用は実現しづらいです。
気になるネット広告代理店を見つけた際は、どんな担当者がつくのかや、その人の過去の実績、協調性があるかなどを確認するようにしましょう。
担当者のリソースは空いているか
どんなに優秀な担当者がついてくれたとしても、その人のリソースが不足していれば、自社に対するレスポンスが遅れてしまいます。
そのため、ネット広告代理店を選定する際は、担当者が抱える案件数を確認しておくことも重要です。一般的に、質の高いサービスを提供できる案件数は、(担当する業務にもよりますが)担当者1人あたり5〜7件と言われています。
- 普段どれくらいの案件を担当しているのか
- トラブルに備えてバックアップ体制はあるか
- どのような運用チーム体制になっているか
上記の要素を確認して、担当者のリソースに余裕のある代理店を選ぶのもポイントです。
契約内容
契約内容の側面からネット広告代理店を選ぶポイントは以下の通りです。
- 最低広告予算はあるか
- 最低契約期間はあるか
- 途中解約は可能か
- アカウントの引き継ぎはできるか
最低広告予算はあるか
ネット広告代理店によって最低広告予算が異なるため、あらかじめ自社の費用感と合っているかを確認しておくとよいでしょう。
例えば、中小のネット広告代理店では、月5万円前後の広告出稿金額が最低広告予算として設定されていることが多いです。中堅で30万円〜50万円、大手の総合広告代理店になると、数百万円以上がミニマムラインに設定されています。
ちなみに最低広告予算が高いからといって、質の高い広告運用が保証されるわけではありません。
特にネット広告では、どれだけ迅速にPDCAを回せるかで費用対効果が変わってきます。ネット広告代理店を決める際は、あくまでも予算に対するサービス内容を重視するようにしましょう。
最低契約期間はあるか
ネット広告代理店は最低契約期間を設けているケースもあるので、事前に確認することが大切です。
多くの場合、最低契約期間は1〜6ヶ月ほどに設定されています。期間が満了するタイミングで解約の連絡を行わないと、自動的に延長されるケースが多いです。
ネット広告代理店の中には、手数料自体は格安なものの最低契約期間が長く設定されているケースもあります。契約内容には注意して、慎重に検討するようにしましょう。
途中解約は可能か
ネット広告代理店に依頼したものの、成果が出ないため途中で解約したくなる可能性も考えられます。
そのため、途中解約が可能か、違約金は発生するのかなども確認しておくと安心です。
代理店によってルールが異なるので、契約書は必ずチェックするようにしましょう。
アカウントの引き継ぎはできるか
ネット広告代理店を選ぶ際は、アカウントの引き継ぎに関しても確認することが大切です。
- 広告アカウントは自社と代理店のどちらが作成するのか
- 代理店がアカウントを作成する場合、解約時に自社が引き継げるのか
- 解析ツールも引き継ぎが可能か
上記の内容を明確にしておくとよいでしょう。
引き継ぎ不可の場合、代理店を解約してしまうと広告の運用もストップしてしまいます。長期的に広告運用を行っていきたい方は、あらかじめ引き継ぎ可能な代理店を選ぶようにしましょう。
サービス内容
サービス内容の側面からネット広告代理店を選ぶポイントは以下の通りです。
- 広告クリエイティブの改善頻度が高いか
- レポートや報告の頻度はどれくらいか
- さまざまな広告媒体に対応しているか
- その他のWebマーケティングの施策にも対応できるか
広告クリエイティブの改善頻度が高いか
ネット広告代理店の選定ポイントとして、広告クリエイティブの改善頻度の高さがあります。
前述した通り、ネット広告はデータをもとに改善を繰り返すことで、費用対効果を高めていけます。広告を出して終わりではなく、状況に合わせて改善していくことが重要です。
ネット広告代理店がしっかりPDCAを回してくれるかや、自主的に改善策を提案してくれるかなどは非常に大事な選定ポイントになるので、事前に確認しておくとよいでしょう。
レポートや報告の頻度はどれくらいか
レポートの広告に関する頻度も、ネット広告代理店を選ぶ際の基準になります。
実際にネット広告を出稿して、どのような成果が出ているのかを確認できる重要な要素です。
- レポートの提出の有無
- 頻度
- オプション料金
上記を確認しておくと安心です。
例えば、レポートの頻度が月1回の場合、PDCAを迅速に回すことは難しいでしょう。また、無料で対応してもらえるレポートの範囲は、簡易的で大事なポイントが抜けているケースも多いです。
オプションでレポートの頻度や深度を変更できれば、状況に合わせて最適な選択ができます。
さまざまな広告媒体に対応しているか
ネット広告代理店を選ぶ際は、対応している広告媒体を確認するようにしましょう。
GoogleやYahoo!などの検索エンジン広告はもちろん、Facebook、Instagram、XなどのSNS広告にも対応しているか、動画広告にも対応しているかなどはチェックしておくと安心です。
対応している広告媒体が多ければ、1つの代理店で複数の媒体に広告を出稿できます。
その他のWebマーケティングの施策にも対応できるか
ネット広告代理店を選ぶ際は、その他のWebマーケティング施策についても対応しているか確認するとよいでしょう。
ネット広告を含むWebマーケティングは、複数の施策を組み合わせて効果を高めていくことが多いです。ネット広告はSEOやSNS、メールマーケティングなどと一緒に実行されることも多いので、あらかじめ対応している代理店を選んでおくと安心です。
実績
実績の側面からネット広告代理店を選ぶポイントは以下の通りです。
- 自社と似た企業で成果を出した実績があるか
- さまざまな業界の運用実績があるか
- GoogleやYahoo!などから認定されているか
- 広告コンテストの受賞歴はあるか
- 担当者のクライアント実績
自社と似た企業で成果を出した実績があるか
過去に自社と似た企業で成果を出した実績を持っていれば、知見を活かした広告運用を行ってもらえるでしょう。
費用感、業界、商材、市場でのポジションなど、自社と似た企業の支援実績がないか確認しておけば、代理店選びの成功率を高めることができます。
どれくらいの期間と費用で成果が出たのかなども確認しておくと、より具体的に成功パターンをイメージできるでしょう。
さまざまな業界の運用実績があるか
ネット広告代理店にさまざまな業界の運用実績があるかも重要な選定ポイントになります。
自社と同じ業界はもちろん、違う業界にも精通している代理店は、より多くの知見を吸収しているものです。そのため、別業界の成功例を自社の広告戦略に活かしてくれる可能性もあります。
幅広い業界で実績がある代理店は、その分質の高いサービスを提供しているとも判断できます。
GoogleやYahoo!などから認定されているか
ネット広告代理店の中には、GoogleやYahoo!などの広告媒体から認定を受けている企業もあります。
認定資格を有している代理店は、認定代理店のみに開示される情報の提供や、新機能を先行して使えるなどの特権があります。これにより、広告媒体に対するスキルレベルを判断するポイントにもなります。
1つの判断基準として、どれくらいの媒体から認定を受けているのかも参考にしてみてください。
広告コンテストの受賞歴はあるか
広告関連のコンテストの受賞歴があるネット広告代理店は、実績があると判断するポイントになるでしょう。
コンテストの受賞歴があるからといって、必ずしも自社の成果につながるわけではありませんが、1つの客観的な評価ポイントになります。認定資格と合わせて、コンテストの受賞歴も参考にしてみるとよいでしょう。
担当者のクライアント実績
意外と盲点なのがこの点です。担当する方のクライアントが別業界だったりすると、全く成果が出ない場合がありますし、今まで別業界でポジションで転籍してきたなどのパターンもあるでしょう。その担当がしっかりとしたクライアントワークの実績があるかが肝心な点です。
広告代理店からインハウス運用への切替タイミング
現在、契約している広告代理店に以下のような問題がある場合は、代理店自体の乗り換えや、インハウス運用へ切り替えるなども検討すべきタイミングと言えます。
- 担当者のレスポンスが遅い
- 広告代理店のモチベーションが低い
- ミスが多い
- 定常的に出稿する広告出稿費用が大きくなってきた
担当者のレスポンスが遅い
広告代理店の担当者のレスポンスが遅いと、施策の実行スピードも遅くなってしまいます。
また、担当者が多数の案件を抱えており、リソースがなくなっている場合は、自社への対応が遅れがちになってしまうでしょう。レスポンスが速い別の代理店を検討するタイミングとも言えます。この際は、乗り換えを検討している代理店の担当者の質やリソース状況も確認しておくことが大切です。
外部リソースの影響を受けたくない場合は、インハウス運用に切り替えるという選択肢もあります。社内のスタッフのみで広告運用を行うことで、ちょっとした変更や改善なども迅速に行うことができるようになるでしょう。
広告代理店のモチベーションが低い
広告代理店の自社に対するモチベーションが低い場合、他社に乗り換えかインハウス運用を検討すべきです。
広告運用の費用感は、企業によって大きく異なります。この費用感が広告代理店とマッチしていない場合、自社に対する熱量が低くなることも珍しくありません。代理店側から改善案などの提案がもらえないのであれば、成果を出すことは難しいです。
親身に対応してくれる広告代理店が見つからない場合は、自社で広告運用をインハウス化するのもよいでしょう。
実際に複数の広告代理店を利用したものの、思った通りの成果が出ないことから、インハウス運用に切り替えている企業も少なくありません。
自社の状況に最適な広告の運用体制を見極めることが大切です。
ミスが多い
広告代理店のミスが多い場合は、別の代理店に乗り換えた方がよいでしょう。
何度も同じミスをしてしまう代理店は、チェック体制や運用体制に問題がある可能性が高いです。機会損失だけでなく、大きなトラブルに発展してしまうケースもあるため、早めに別の代理店を検討、またはインハウス運用に切り替えてチェック体制を改善するようにしましょう。
定常的に出稿する広告出稿費用が大きくなってきた
広告出稿費用が定常的に大きくなってきているのであれば、代理店ではなくインハウス運用に切り替えるタイミングと言えます。
基準としては、毎月の広告出稿費用が数百万円を超えているかどうかです。
例えば、月の広告出稿費用が200万円の場合、代理店の手数料が20%であれば40万円かかる計算になります。40万円あれば、自社に広告運用の知見を持った人材を採用することも可能です。
このように、広告出稿費用が大きい場合では、インハウス運用に切り替えることで、自社にメリットが得られるでしょう。
【ネット広告代理店について相談する】
ネット広告代理店に不満を感じたらインハウス運用という選択肢も
ネット広告代理店では自社が求める成果が見込めないと感じる場合は、インハウス運用がおすすめです。
というか往々にして、満足度が低い場合=担当者の情別やモチベーション不足に起因します。
人間は感情の生き物です。人対人のコミュニケーションである限り、相手が一所懸命に接すれば、相当の知見不足などで無い限りは、切替という選択肢はなかなかでないものです。
たまたま情熱のない対応や金額が大きく担当のモチベーションもとなってしまった場合のインハウス運用に切り替えるメリットを簡単に解説します。
- 商材の知見がある人物が運用担当者になれる
- 手数料がかからない
- 施策に対して迅速かつ柔軟な対応ができる
商材の知見がある人物が運用担当者になれる
ネット広告をインハウス運用する大きなメリットの1つが、自社の商材に知見のある人物が担当者として運用できることです。
ネット広告代理店は、ネット広告の運用スキルはあるものの、自社に対して理解度が深いわけではありません。この場合、汎用的な訴求はできても、ターゲットの興味を引けずに成果がでないケースもあります。
自社の商材に詳しいスタッフがネット広告の運用を行えば、ターゲットニーズを理解したうえで、的確な訴求を行うことが可能です。
特にニッチな分野では、インハウス運用にすることで、自社独自の価値を提供しやすくなります。
手数料がかからない
インハウス運用は、広告代理店に支払っていた手数料を削減できるのもメリットです。
特に広告出稿費用が大きくなっている企業の方は、インハウス運用に切り替えた方がよいでしょう。インハウス運用にもランニングコストはかかるものの、総合的な支出は抑えられる可能性が高いです。
また、社内にネット広告運用の知見が貯まっていくので、長期的にはインハウス運用の方がメリットを得られるでしょう。
【注意】
社内の人件費がかかっていますので、運用代行費用が完全に無料という計算は誤りです。
施策に対して迅速かつ柔軟な対応ができる
ネット広告をインハウス運用することで、施策に対して迅速な対応ができるようになります。
広告クリエイティブの文言を修正したり、A/Bテストを行ったりなど、ネット広告の運用には細かい変更がたくさんあるものです。しかし、代理店の場合、担当者のリソースや契約内容によって、対応してもらえないことがあります。
インハウス運用であれば、社内スタッフが即対応できるため、機会損失を最小限にできるでしょう。
バクリからのワンポイントアドバイス
本記事はポジションを取って、インハウスにしましょう!という記事ではありません。
代理店に依頼するメリットも十分あります(筆者自身も代理店出身です)。
ただし、場合によってはインハウスも選択肢として考えてもいいのでは?ということをお伝えしたく思います。
代理店の担当に限らず、コミュニケーションの相手には情熱やコミュニケーションのし易さなどを求めるのが人間の常です。
相手方にこの辺りがかけている場合には、、インハウス運用もいいかもしれません。
【ネット広告代理店について相談する】