代理店が広告アカウント開示を拒否する3つの理由

WEB広告の運用を代理店へ依頼しているとき、代理店が「アカウントは非開示」としていて、アカウントを見られないケースは多いです。

「発注している側なのになぜ非開示なのか?」と思われるかもしれません。そこで今回は、代理店へ運用を依頼する際の広告アカウントの開示について詳しく解説します。

この記事のポイント

  • 広告代理店が広告アカウントを非開示にしている理由
  • 広告代理店にアカウントを開示してもらうメリット
  • 広告代理店にアカウントを開示してもらう方法

【内製化コンサルについて相談する】

広告代理店が広告アカウントを非開示にしている理由

多くの広告代理店では、広告アカウントを非開示にしています。その理由を、4つ解説します。

理由その①:設定のノウハウを知られたくない

以前の話になりますが、初期設定などの広告アカウントの構造は、代理店のノウハウに依存していました。

葉隠れ構造やGOIRINなど、わかる方にはわかるかもしれません。この初期設定に関するノウハウを知られたくないことから、非公開としているケースも多いです。

ただし現代は、コンテンツマーケティングの時代です。少し調べるだけで、広告アカウントの構造に関するノウハウは、いくらでも情報が出てきます。

そのため実際には、「設定をノウハウを知られたくない」という理由は、非開示にするウェイトを占めていないのではと考えます。

個人的には以降の内容が、アカウント開示をしたくない理由に直結していると考えます。

理由その②:細かいミスを突かれたくない

「細かいミスを突かれたくない」というのは大きな理由です。

実はバクリの代表も、代理店に勤めていた時代に、広告予算オーバーのミスをしたことがあります。その際、代理店が費用を負担する前提でレポートの数字を予算内に収め、修正版を出しています。代理店が費用を負担しているため、クライアントに迷惑はかかっていません。

ただ、こういったミスがあった時、アカウントをクライアントに開示していると「予算を超えているのではないか?」 と気づかれて、突っ込まれてしまいます。

そこから派生して、「リンク先は合っているか?」など、クライアントからさまざまなことを突っ込まれると、代理店としては頭が真っ白になるうえに、確認工数やコミュニケーションコストが多くかかります。

こういう事態を避けるために、代理店としてはリスクヘッジとしてアカウント開示はしたくない場合が多いです。

理由その③:手を抜いていると思われたくない

「手を抜いてると思われたくない」のも理由のひとつです。

代理店は、どうしても予算金額の大きなクライアントに重点を置かなくてはなりません。

予算が数十万円の広告アカウントには、工数をあまりかけられないのが実情です。

そのため、初期設定だけはしっかり行い、あとは Googleのオートマ運転で運用するケースも多いです。もちろん、利益が確保できない場合は、適宜修正します。ただ問題なくクライアントの利益を確保できているのであれば、そのままオートマ運転で、月次のレポート業務を中心に行います。

この場合、アカウントを開示していると下記のようなツッコミが入ることになります。

  • 何故コールアウト設定していないのか?
  • 毎日キーワードを除外しているか?
  • 余計なキーワードで出稿されているのでは?

ただ、代理店としては、「CPAをクリアしているから良いのではないか」「そこまでやらなくても」と思ってしまいます。

その理由として、WEB広告の構造上、クライアントが数十万円の予算をかけていたとしても、代理店の利益はたった数万円となるためです。

クライアントとしては、「30万円も広告代理店に予算をかけている」という認識で広告運用を依頼します。

その30万円はすべて代理店へ入るわけでなく、ほとんどをGoogleとYahoo!に広告実費として支払います。30万円の予算であれば、20%の6万円が代理店のマージンです。代理店の利益は6万円となるので、細かい部分まで工数をかけられません。だからこそ、Googleのオートマ運転で確実に利益を上げて運用できるよう、初期設定をしっかり行うような戦術をとっています。

ただクライアント側からすると、30万円の対価を求め、より成果を出してほしいと考えるものです。この乖離は、代理店側は十分に理解しているところです。だからといって細かい作業には工数をかけられないため、「アカウントは開示したくない」「細かい突っ込みを避けたい」と考えます。

理由その④:責任の所在が曖昧になる

「責任の所在が曖昧になるから開示したくない」というパターンがあります。

クライアントが勝手にアカウントをいじってしまい、成果が悪くなるケースもあるためです。

その際、「成果が落ちたのはクライアントがアカウントをいじったからではないのか?」とトラブルになることがあります。このようなトラブルを避けるためにも、アカウントを非公開としていることがあります。

広告代理店にアカウントを開示してもらうメリット

上記の理由から、代理店はアカウントを開示したがりません。ただ運用を依頼する際は、開示してもらうことをおすすめします。アカウント開示のメリットを解説します。

メリット①:チューニング履歴で工数が分かる

アカウントを開示してもらうことで、代理店がかけている工数がわかります。

人間は、心理的に放置されると甘えてしまいます。そのため、監視の役割りも含めアカウント開示をしてもらうのがいいでしょう。

メリット②:代理店の負担減少しスピードが上がる

「ここはどうなっているのだろう?」と疑問を感じたとき、代理店へ聞く手間がなくなります。

クライアントも代理店もどちらの工数も削減でき、施策などのスピードが上がります。

メリット③:不正されない

不正されないというメリットもあります。

たとえば、広告のクリック先URLが誤っていたものの、何度もクリックが発生していた場合、大きな機会損失と無駄な費用がかかっていることになります。

ただこれらはアカウントが開示されていないと、言われなければ気づかない場合も多いです。

アカウントを開示してもらうことで、こういった不正を防げます。

広告代理店にアカウントを開示してもらう方法

広告代理店にアカウントを開示してもらうには、次の2つを抑えて依頼をすることです。

  • 金額の認識の差異を理解しアカウント開示を要求
  • 閲覧権限を要求

広告予算のすべてが代理店へ入っているのではなく、そのうち20%程度のマージンのみが代理店の利益であることをしっかり理解し、それを伝えたうえでアカウントを開示してもらえないか相談してみてください。

また、下記の閲覧権限であれば、クライアントが設定を勝手に変更できません。そのため、閲覧権限であれば、問題なく付与してくれる場合が多いです。

それでも代理店がアカウントの開示を拒否する場合は、何かあるのかもしれません。理由を聞いてみて納得できる理由が返ってこない場合は、不正を働いている可能性もあるので注意してください。

まとめ

アカウントは開示してもらうと、監視、不正の防止、施策のスピードが早くなるといったメリットがあります。 

過去の経験即上、結果出す代理店は、当然アカウント開示をしてくれます。開示しても何も問題ないのでしょう。

本記事で紹介したポイントを抑えてアカウント開示を依頼しましょう。

【内製化コンサルについて相談する】

この記事を書いた人

荒川 大史

代表取締役  荒川 大史

経歴

Webマーケティング歴20年。
インターネット専門の広告代理店にて、営業、マーケティング、コンサルタントとして従事。
SEO部署の立ち上げに関わるなど、検索エンジンマーケティングを中心にマーケティングを支援。
WEB広告からマーケティングの戦略立案から、WEB制作まで幅広くWEBの集客のお困りごとなら何でもご相談可能。
一環したネットマーケティング支援を軸として、⾦融、美容、医療、コンサルティング会社などのお客様を幅広い実績あり。
Googleアナリティクスなどによるアクセス分析コンサルティングなども手掛ける。
上級ウェブ解析⼠。
一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会、ブランドマネージャー、薬機法取得者。
ちなみに、SEOが趣味(笑)

X Facebook