インハウス化とは?運用型広告だけではない!【内製化に向いている商材や向いている企業の特徴と最適なタイミングを紹介】
「業務をインハウス化すると具体的にどんなメリットやデメリットがあるのだろう?」
「どんな企業がインハウスに向いているのかや、インハウス運用が可能な商材について知りたい」
内製化に興味はあるものの、自社にどのような影響があるのか具体的にイメージできずに漠然とした疑問を持っている人も多いでしょう。
インハウス化には、外注コストの削減や迅速な意思決定が可能になるなどのメリットがある一方で、自走できるまでに時間がかかることや初期コストがかかるなどのデメリットもあります。
そのため、インハウス化で失敗しないためには、自社の現状を把握したうえで実行するかどうかを検討することが大切です。
そこで本記事では、インハウス化のメリット・デメリットや向いている企業の特徴、インハウス化に切り替える最適なタイミングなどを紹介します。
今回の記事のポイント
・インハウス化のメリット・デメリットとは?
インハウス化することで外注コストを削減し、迅速な対応が可能になるメリットがあります。
その反面、初期コストがかかる点や社内スタッフの工数がかかりやすい点を考慮する必要があるでしょう。
・インハウス化が向いている企業の特徴は?
長期で施策を打っていきたい場合や、専門性の高い商品・サービスを扱っている場合、または他社に自社の情報を漏らしたくない企業はインハウス化に向いていると言えます。
・インハウス化に最適なタイミングは?
代理店の手数料よりも人件費の方が安い場合や優秀な人材が確保できている企業、または代理店では成果が見込めなかったといったタイミングは、インハウス化するタイミングと言えます。
【インハウス化について相談する】
インハウス化・インハウス運用とは
インハウス化(内製化)とは、外部に委託していた業務を自社内で完結させることを意味する言葉です。
「インハウス = in-house」という言葉は日本語に直訳すると「自社内」や「組織内」という意味があり、言葉の通り自社で業務を自走できるようにする概念になります。外部の業者に業務委託する「アウトソーシング=out-sourcing(外部の資源を利用)」の対極に位置する言葉です。
インハウスは「house」= 内側の資源を利用して、業務を完遂するという意味合いです。
インハウス化には、すべての業務を自社で手掛けるフルインハウス方式と、一部の業務のみを外部に委託するセミインハウス方式があります。
特にWebマーケティングの領域においては、近年、コンテンツマーケティングが主流になっており、昔のような情報の非対称性がなくなってきております。
たとえば、「リスティング広告出稿方法」と検索すると、リスティング広告を自ら出稿するまでのフローを解説した記事が沢山検索エンジンにヒットします。
つまり、Googleで検索してしっかりと自ら吸収できる力があれば、自走できる時代になってきているのです。
こういう時代背景もあり、近年代理店のノウハウも希薄化してきております。
オペレーションの代行だけであれば、社内で人を雇って内製化する方が遙かにコストが浮きます。
ある意味、Webマーケティングはインハウス化を実現しやすい土壌があるといえます。このタイミングだからこそ、内製化をぜひ一度検討してみると良いでしょう。
インハウス化する5つのメリット
企業がインハウス化することで得られるメリットについて見ていきましょう。
- 自社に知見やノウハウを蓄積できる
- 対応範囲:複数の施策に対応できる
- 情報漏洩リスクを最小限にできる
- 主体性:品質安定や迅速な対応ができる
- コストメリット:外注コストを削減できる
自社に知見やノウハウを蓄積できる
業務をインハウス化すると、自社に知見やノウハウを蓄積できるメリットが得られます。
例えば、運用型広告を代理店に依頼する場合、キャンペーンの最適化やタグの設置方法など、具体的な業務内容はなかなか開示してくれません。コミュニケーションコストもさることなら、ノウハウに関わるためです。ですが、今は前述のように検索すればある程度のノウハウはわかってしまうものです。となると、外部に依頼する意味合いが薄れてきます。
また、代理店が情報の横断、他業界だとこういう傾向があるという情報は持っています。しかしながら、こちらの業界や自社の特性を踏まえたノウハウを有しているかというとそうでもないことも多々あります。
自分たちのいる業界、自社のポジショニングや自社の強みを踏まえたノウハウまでは代理店は有していないことが多いのです。
こういう状況では、自社でノウハウを貯めるほかありません。
インハウス化すれば業務を継続する分だけ、自社に即した知見やノウハウが蓄積していきます。
これは参入障壁が低いWeb業界では大きなメリットになります。
対応範囲:複数のソリューションに対応できる
インハウス化の前述の自社に即した強みは複数の施策、ソリューションに対応できるのもメリットです。
たとえば、リスティング広告でCVRのみならず、LTVが高い(CV後の契約率などが高い)キーワードが見つかったとして(契約率などまで見れるのはインハウスならではのメリットです)そのKWをSEOにも転用できるという具合です。
ちなみに、往々にして上記のようなLTVの高いキーワードはCPAが高いということがあります(よって、CPAに目が行きがちな代理店からは積極的に攻めましょうという提案がありません)。
当然ながら複数の施策を自走できるまでには時間がかかるものですが、社内のスタッフのみで業務を遂行できるようになると、Webマーケティング全体の施策に統一感が生まれます。
実行スピードを落とさず、効率的にインハウス化を進めるにはインハウス支援のプロのサポートを受けるのがおすすめです。
弊社バクリでは月25万円から、Webマーケティング全般の施策のインハウス支援を行っています。戦略立案からマニュアル作成まで、貴社に合ったプランをご提案可能です。
情報漏洩リスクを最小限にできる
ここはよく言われることですが、インハウス化は情報漏洩リスクを最小限にできるのもメリットです。
業務を外部に委託した場合、自社の貴重な情報がどこかで漏れてしまうこともあるでしょう。商品やサービスだけでなく、どのような施策をどんなスケジュールで進めていくかなどの情報は、他社に漏れると競争優位性をなくしてしまいかねません。
NDAを締結しているにもかかわらず、代理店の担当者によっては、自社の貴重な情報を得意先のクライアントに漏らしてしまう可能性もあります。
この点、インハウス化すれば外部に情報が漏れるリスクを極限まで最小限にすることが可能です。
情報が絶対漏れてはいけない個人情報を扱う業種はインハウスにて上記の情報セキュリティメリットを享受できます。
貴重なデータや情報があるほど、インハウス化してリスクヘッジを行った方がよいでしょう。
主体性:品質安定や迅速な対応ができる
インハウス化は、社内のスタッフのみで主体的に業務を遂行できるのもメリットです。
業務を委託している場合、連絡のやり取りで遅れが生じたり、外部のリソース問題などで迅速に対応してもらえないケースもあります。代理店の担当者によっては、アウトプットの質が不安定になってしまうこともあるでしょう。
代理店の新人がアサインされたりすると、アウトプットの質が不安定になりやすいのです。
この点、社内では新人といえども自社商品の理解に関しては圧倒的に第三者よりは知見が深いため、経験の不足をカバーできたりします。
また、施策の意思決定を自社で完結できるため、迅速に業務を実行したり急なトラブルにも対応しやすくなります。業務の実行スピードを落とさずに、アウトプットの質を安定させられるのがメリットです。特に専門性の高い業種では、外部に委託するよりも社内の商品、サービスに詳しいスタッフに業務を担当してもらう方がよいでしょう。
リアルタイムでデータを分析しつつ改善が行えるWebマーケティングの領域では、迅速にPDCAを回せるかどうかが成功を左右するケースも少なくありません。
インハウス化によって、主体的に業務を実行できる流れを構築できます。
コストメリット:外注コストを削減できる
外部に委託していた業務をインハウス化できると、外注コストを削減できるのもメリットです。
最たる例は運用型広告のマージンです。
代理店ビジネスの美味しいところは運用型広告で一定の工数で、広告費用が大きくなることで利ざやを稼ぎやすくなる点といえます。
この代理店のメリットを奪ってしまうような形になりますが、広告費用の20%などがマージンとして丸丸浮く形になります。
運用費用が大きければ大きいほどそのメリットは計り知れません。
また、特定の分野に特化した代理店に依頼したからといって、自社が達成したい目標や依頼した目的に共感してもらえなければ成果が出ないリスクもあります。特に専門的でニッチな業界の場合、外部の業者では汎用的な施策しか実行してもらえない可能性が高いです。
インハウス化によって自社のスタッフに業務を任せられれば、専門性を担保しながら外注コストを削減できるようになるでしょう。
インハウス化する5つのデメリット
インハウス化により企業が考慮すべきデメリットには、以下のようなものがあります。
- 初期コストがかかる
- 社内に知見を貯めるのに時間がかかりやすい
- スコープを広げにくい場合がある
- 社内スタッフの工数がかかりやすい
- 社内リソースに限りがある
初期コストがかかる
業務のインハウス化に伴い、初期コストがかかるケースがあります。
- 人材の採用と育成
- 効率化ツールの導入
- 業務プロセスの設計
- マニュアル作成
- 必要機材の購入
例えば、上記のような費用がかかるでしょう。
一方で、業務委託の場合は手数料がかかるものの、ツールの利用料や機材を購入する必要はありません。そのため、社内で巻き取る場合、短期的な視点で考えると上記のような日用緒が掛かり、費用対効果が悪いと感じやすいです。
社内に知見を貯めるのに時間がかかりやすい
インハウス化は、社内に知見を貯めるのに時間がかかりやすい点もあります。
今まで専門業者に委託していた業務を、自社で自走できるようにするには、社内スタッフチームを構築して育成していく必要があるでしょう。例えば、運用型広告をインハウス化しようと考えた場合、広告管理画面の設定方法からデータの分析方法などを覚えるには、どうしても時間がかかってしまうものです。
ガントチャートやフロー表をみても実際に経験しないとなかなか当人の身につきません。
よって、1つ1つどうしても経験することが必要になり、この点、時間が掛かります。
スコープを広げにくい場合がある
インハウス化によって、スコープを広げにくくなる可能性があります。
外部に委託する場合、知識のある専門業者に発注できるため、すぐに施策をスタートできるケースが多いです。
例えば、リスティング広告とLP制作を発注したいと考えた場合、代理店やフリーランスなどに依頼して、すぐに実行フェーズへ移れます。施策を実行する中でSNS運用を行いたいと思った際も、SNSの運用代行会社に依頼すれば自社のリソースを使わずにスタートできるでしょう。
この点、あれもこれもとスコープを一度に広げようとすると社内のリソースには限りがありますので、実行は止まります。
複数の施策をインハウス化していきたい場合は、まずは社内のリソースとにらめっこしつつ、優先度をつけてどこからインハウス化していくのか決めると良いでしょう。
社内スタッフの工数がかかりやすい
インハウス化を達成するためには、社内スタッフの工数がかかりやすい点も考慮すべきポイントです。
例えば、インハウス支援を受けて社内スタッフを育成する場合「スキル習得→実行→レビュー→改善」という流れを繰り返す必要があるでしょう。知らないことを理解して自走できるまでには、どうしても社内スタッフの工数がかかってしまいやすいのです。
専門性の高い業務であるほど覚えることも多いため、一人前になるまでには短期感でインハウス化したい業務にのみ集中して取り組む必要があります。
場合によっては担当者が離職してしまうリスクもあるので、無理なくインハウス化できるようなロードマップを作成することが大切です。
社内リソースには限りがある
いわずもがな、社内のリソースは有限です。上記でも述べたように一遍にインハウス化しようとすると破綻します。特に、他の業務と兼任しているときは要注意です。元々行っていた業務を優先しがちで(人間は慣れている業務を優先してしまう特性があります)インハウス化の業務が遅々として進まない場合が多々あります。
インハウス化を円滑に進めるには社内リソースをしっかりと確保し、他業務を兼務させない事がポイントになります。
インハウス化が向いている企業の特徴
ここではインハウス化が向いている企業の特徴について解説します。
- 中長期的に施策を打っていきたいと考えている
- 専門性の高い商品やサービスの販売促進を目指している(ニッチな業界である)
- 他社に自社の情報を漏らしたくないと考えている
中長期的に施策を打っていきたいと考えている
はじめに中長期的に施策を打っていきたい、Webマーケティングを行っていきたいと考えている場合は、インハウス化が向いています。
Webマーケティングの施策は、長期的に取り組むことで費用対効果を高められるものが多いです。例えば、SEOやSNS運用などは、長期的に取り組んでPDCAを回し続けるからこそ、成果につながっていきます。
反対に短期で完了する施策や、年に数回しか実行しない業務であれば、専門業者へスポット依頼した方が効率的と言えます。
また、インハウス化を検討している施策や業務が、自社にとってどれくらいのインパクトがあるものなのかを明確にすることが大切です。重要度の高い施策や業務であればあるほど、インハウス化したときに得られる恩恵は大きくなるでしょう。
専門性の高い商品やサービスの販売促進を目指している(ニッチな業界である)
専門性の高い商品やサービスの販売促進を目的としている場合は、インハウス化した方がよいケースが多いです。ニッチな業界であればあるほど、インハウス化はおすすめです。
なぜなら、業界特有のノウハウを第三者である代理店が有していることは少ないからです。
外部の専門業者は、マーケティングスキルを持っているものの、商品やサービスに対する専門知識を持っているわけではありません。専門知識が乏しい外部の担当者に委託すると、どうしても汎用的な施策になりやすいです。
話をしていても、一般的な話しばかりでどうもしっくりこない場合には、上記が当てはまると言えるでしょう。
もちろん、代理店と長年付き合うことで代理店の担当が変わらない限り、自社特有の知見を保有してくれるものですが、殊にWebマーケティング業界は人材の回転が速く、この点でも自社担当でノウハウを貯めるメリットが大きいといえます。
すでに商品やサービスに対して深く理解している社内のスタッフがマーケティングスキルを身につければ、自社に即した強みを反映した施策を行えるでしょう。例え、未熟なクリエイティブや訴求文だったとしても、ニッチな業界では自社のサービスに詳しい人間を起用した方が成果につながる可能性が高いです。
他社に自社の情報を漏らしたくないと考えている
自社に貴重なデータや情報があり、他社に漏らしたくないと考えているならインハウス化をおすすめします。
前述した通り、外部に業務を委託すると情報漏洩のリスクはどうしても高くなりがちです。悪質な代理店担当者がついてしまうと、故意に貴重な情報を漏らされる可能性もあります。自社の重要なデータを競合他社に共有されてしまえば、ビジネスの成功率が大きく低下するリスクもあるでしょう。
情報セキュリティが厳しく要求される大企業や個人情報を扱う業界、情報の機密性が高い業務の場合には、早めにインハウス化するのが得策と言えます。
インハウス化する最適なタイミングとは
インハウス化を検討しているものの、最適なタイミングがわからずに地団駄を踏んでいる企業も少なくありません。
ここでは、インハウス化に踏み切る最適タイミングについて見ていきましょう。
- 代理店の手数料よりも人件費の方が安い場合
- 社内に優秀な人材が確保できた場合
- 代理店では成果が見込めない場合
代理店の手数料よりも人件費の方が安い場合
インハウス化すべきタイミングの1つが、代理店に支払う手数料よりも人件費の方が安くなったときです。
例えば、広告運用を外部の代理店に委託する場合、広告費の約20%が手数料としてかかるのが一般的です。仮に月間の広告費が200万円であれば、そのうち40万円が代理店の手数料となります。
一方で、自社で広告運用をインハウス化した場合の主な費用は人件費となります。
もしも自社で広告運用スキルを持った人材を月額40万円以内で雇用できるのであれば、外部に委託するよりもコストを削減できる可能性があります。このように、外注費用よりも自社で完結させた方がコストを抑えられるのであれば、インハウス化する価値があると判断できるでしょう。
もちろん、代理店担当者が40万円以上の価値を発揮、成果を出してくれれば問題ありませんが、この点、運用金額が大きくなればなるほど、期待値が大きくなりますので、自社で巻き取る方が中長期的にはメリットが大きくなります。
内製化を検討するタイミングとしては本格的にWebマーケティングに注力し、しっかりと予算を取るタイミング=外部委託の場合高コストになると予想されるときといえるでしょう。
社内に優秀な人材が確保できた場合
社内に優秀な人材が確保できた際は、インハウス化に踏み切るタイミングと判断できます。
前述した通り、外部に委託すれば特定のスキルを持ったエキスパートに業務を依頼できるものの、外部リソース不足による遅延や自社への理解度が浅いなどの問題も起こりやすいです。
自社の専門的な知識を外部の担当者に理解してもらい、効果的な施策を打つとなると時間や外注コストがかさんでしまうこともあるでしょう。
自社ならではの知見を蓄えた人材がマーケティング担当として確保できるのであれば、迅速な施策の実行と専門知識の共有を実現できます。長期的に取り組むべき施策である場合は、早い段階からインハウス化しておくことで結果的にコストを抑えられる可能性が高いです。
自社の強みを活かして効率的かつ効果的なWebマーケティングを実行するためには、インハウス化に向けた計画を立てることが重要です。
代理店では成果が見込めない場合(代理店の担当が変わったとき)
いくつかの代理店に依頼したものの、担当が変わってしまった、大手の競合が乗り込んできて成果が見込めない場合もインハウス化に踏み切る1つのタイミングと言えるでしょう。
- 自社に対する熱量が低い
- 自社の業界や商品に対する理解度が低い
- コミュニケーション不足による認識の不一致
- 予算やリソースの制限
- 担当者の質が悪い
例えば、上記のような原因が重なってしまうと、せっかく代理店に手数料を支払っているにもかかわらず、成果につながらなくなってしまいます。
大手が競合として乗り込んできた場合にも成果を出すためにマージンを削って行くことも検討しないといけなくなります。
外注コストをかけても結果にコミットしてもらえないのであれば、ゆっくりでも自社でインハウス化した方がよいでしょう。実際にいくつかの代理店に依頼したものの、トラブルに発展したことがキッカケでインハウス化に踏み切った事例は少なくありません。
信頼できる社内スタッフで柔軟な対応をしていきたい場合は、インハウス化することをおすすめします。
【インハウス化について相談する】
インハウス運用が可能な商材一覧
ここではインハウス運用が可能な商材を見ていきましょう。
- Webマーケティングの基礎研修とトレーニング
- Web戦略立案
- データ分析と報告
- 運用型広告
- SEO/コンテンツマーケティング
- SNS運用
- 広告クリエイティブの開発/制作ディレクション
- テクノロジーサポート
Webマーケティングの基礎研修とトレーニング
Webマーケティングの基礎研修とトレーニングでは、社内の担当者に対して専門的なノウハウを教育していきます。
自社でWebマーケティングを自走できるように、インハウス支援のプロと二人三脚で実務を遂行しレビューを行っていく流れです。目標から施策の優先順位を整理してマニュアルを作成し、順を追ってインハウス化を進めていきます。
Webマーケティングの基礎をマスターするために、ツールの使い方や施策を実行するための基本的な進め方など、ノウハウを吸収する工程です。
Web戦略立案
Web戦略立案では、予算や目的に合わせてどんな施策が適しているかを策定する工程です。
- サイト制作
- 広告運用
- SEO/コンテンツマーケティング
- SNS運用
- LP制作
などなど
例えば、上記のような選択肢の中から自社にとって最適な施策を検証していきます。
予算や目標を達成したい期間、自社のリソース状況などによって最適な施策は異なるでしょう。複数の施策を組み合わせて実行するといった選択肢もあるため、何をどんな順序で進めていくのか、優先順位を明確にする必要があります。
どんな施策も点のみだと、結果を出すのは難しいものです。
施策同士の相乗効果や位置付けを整理し、中長期で成果を出していくWeb戦略が自社で立案できるようになれば、競合他社との差別化ポイントや弱みなどを把握したうえで的確なマーケティングが可能になるでしょう。
データ分析と報告
データ分析と報告は、施策の費用対効果を高めるために不可欠な工程です。
実施中の施策の現状や進捗状況を評価して、次に行うべきことを明確にしていきます。必要なデータを収集した後、フレームワークを活用して改善すべきポイントを特定する流れです。運用型広告であれば、KPIと実際のパフォーマンスを評価して課題点をあぶり出していきます。
レポートを作成する際は、マーケティングチームだけでなく、他の部門のメンバーにも理解しやすい形式にすることが重要です。わかりやすいレポートは予算の確保やリソースを増やす際などに活用できるでしょう。
定期的にレポートを作成することで、施策の最適化や目標達成に向けた具体的なステップが明確になります。
Webマーケティングの効果を最大化するために重要な業務と言えます。
運用型広告(リスティング広告など)
運用型広告はインハウス化されることの多い業務の1つです。
- 広告戦略の策定
- 媒体選定
- キーワード選定
- タイトル説明文作成
- 入稿管理
- 予算管理
- レポーティング
- 効果検証と改善
主に上記のような業務をインハウス化していきます。
実際にキャンペーンを設定して運用し、効果検証を行いつつ広告効果を最大化できるようにしていく流れです。
また、アフィリエイト広告も運用型広告と位置付ける場合、
- ASPの契約
- 広告素材の作成
- アフィリエイトパートナーの募集と管理
- 成果条件の設定
- 承認作業
- 報酬の支払いと管理
アフィリエイト広告運用では、主に上記のような業務をインハウス化します。
アフィリエイト広告の場合、代理店マージン分をメディアに還元できるので、この点も媒体の掲載位置などのリプレイスには効果的といえます。
SEO/コンテンツマーケティング
SEO/コンテンツマーケティングは、インハウス化することで中長期でメリットを得やすい業務です。
SEOは主に以下のような業務があります。
- KPI設定
- キーワード選定
- キーワードの検索結果傾向の見極め
- 対策方針決め
- 予算確保
- サイト内部対策
- コンテンツ制作(関連性施策)
- 信頼性向上施策
- 順位計測
- 社内報告
- +アルファ(コンバージョン率の最適化など)
SEOはやるべきことが多いので、長期的に取り組む必要があります。
Webマーケティングの中でも費用対効果が高い施策になるため、インハウス化する価値が高いと言えるでしょう。
コンテンツマーケティングも同様に、長期的にコンテンツを積み上げていくことでサイトの評価が上がってきます。専門性が高い業界の場合は、外部に委託するよりも自社でコンテンツを制作した方がよいでしょう。
現在、SEOとコンテンツマーケティングを外部に委託している場合、自社でインハウス化できれば外注コストを大きく削減できる可能性があります。
ただし、SEOは効果が出るまでに最低半年以上はかかりますので、インハウス化のメリットを享受するには半年以上のスパンを前提としておかなければなりません。
SNS運用
SNS運用はX(旧Twitter)、Instagram、FacebookなどのSNSを活用して、自社のブランディングや商品・サービスの販売促進などを行う施策です。
主なSNS運用の業務には以下のようなものがあります。
- SNS運用の戦略立案
- ターゲット選定
- 投稿内容のコンテンツ制作
- 投稿スケジュールの決定
- 効果測定と改善
- エンゲージメントの測定
SNSは、ユーザーが気軽にコメントしたりシェアしたりできるのが特徴です。
SEOコンテンツの制作と同じく、専門性の高い業界である場合、外部に業務委託するとユーザーにとって価値のある投稿にならない可能性があります。ニッチな業界や商品であるほど、外部業者が訴求すべきポイントを理解するのは難しいものです。
社内でSNS運用を自走できるようにすることで、自社の魅力を的確に伝えられるようになるでしょう。
特にSNSの投稿の場合、エンゲージメントが命です。エンゲージメントを高められるかは自社のサービスの特徴を捉えた投稿内容でないといけません。
この点やはり社内の方の方がエンゲージメントを確保しやすい投稿ができるように思えます。
広告クリエイティブの開発/制作ディレクション
広告クリエイティブの開発/制作ディレクションは、実はインハウス化に向いている業務の1つです。
通常、広告のクリエイティブは複数のメンバーで開発していきます。全体を統括するプロジェクトマネージャーや進捗を管理するディレクター、デザイナーにコピーライターなど、必要に応じて最適なチームを構築するのが一般的です。
専門性の高い業務かつ自社の商品サービスの強みを把握した上でないと、ユーザーに刺さるクリエイティブは作成できません。
自社メンバーのみでクリエイティブチームを構成すれば、商品サービスの理解があった上でのクリエイティブ案の作成が可能となります。
テクノロジーサポート
テクノロジーサポートは、自社のWebマーケティングを効率化するためのツールや、セキュリティ強化などを行います。
- アクセス解析ツール
- 広告管理ツール
- CRM
- MAツール
- 競合分析ツール
- 順位チェックツール
- デザインツール
上記のようなツールの使用方法を覚えることで、限られたリソースでも効率的に実務を実行できるようになります。
インハウス支援サービスでは、最適なツールの選定から使い方のレクチャーを行っていきます。セキュリティが弱い部分がある場合は、技術的なサポートを行い強化していく流れです。
特に、CRMやMAは自社の顧客情報を扱いますので、社内で行った方がセキュリティの観点からはよいと言えます。
インハウス化に関するバクリの成功事例
Facebook広告の運用をインハウス化した事例
こちらは、インハウス支援開始から約半年でFacebook広告運用のインハウス化に成功した事例です。
クライアント様は、Facebook広告の土台となるビジネスマネージャーやGTMが複数存在し、CVタグなどが混在し複雑化していることが原因で、CPAが精緻に計測できないといった課題を抱えていました。
そこで弊社では、GTMとタグを整理することからサポートさせていただきました。
Facebook広告のビジネスマネージャーの整理も行いインハウス化に向けて、配信開始までのフローをマニュアルにして自走できるように仕組みを構築しました。実際に一緒に運用を伴走しながら、クリエイティブの改善を行い、PDCAサイクルを確立しました。
結果、支援開始から約半年でFacebook広告のインハウス化を達成。
現在は、計測土台の整理方法や広告運用に関する知見なども社内に蓄積できるようになっています。
バクリからのワンポイントアドバイス
Webマーケティングは内製化、インハウス化しやすいといえます。
ですが、あまりインハウス化が進んでいないのは、業界的な構造的問題があります。
WebマーケティングはWeb広告が出てきた2000年当初はそもそもどうやってウェブ広告を出稿して良いかわからないという状況でした。よってネット広告代理店に依頼するのが当たり前でした。
その後20年あまり経ち、ネット広告代理店が一般的になる中で、代理店ビジネスの構造つまり、広告をご依頼頂く中のマージンで利益を出すモデルである以上、クライアント様で巻き取って頂く内製化は薦めにくいという業界構造業の問題があります。
現在ご依頼の代理店さんに内製化というと渋い顔をするでしょう。
この点、内製化を依頼するのはやはり専門業者に依頼すべきというのがポイントになります。
【インハウス化について相談する】